2025-03-27 コメント投稿する ▼
「学費の壁」学生の声は届くのか――修学支援法改定も残る課題
学生の声を聞かずに決まる制度
吉良氏は、法案の審議にあたり、当事者である学生を参考人として招致するよう求めたものの、与党側の合意が得られず実現しなかったことを明かした。そして、「学生は一人前の人間として認められていないのか」「学生抜きで制度を決めるのか」という学生たちの率直な声を紹介。2月13日に行われた「学費値上げ反対の院内集会」に参加した学生有志がまとめた「意見書」についても言及した。
成績要件が学習意欲を削ぐ?
特に、修学支援新制度における「成績要件」について、吉良氏は「この要件があることで、学生が必要最低限の授業しか取らず、逆に学習意欲を失う原因になっている」と指摘。「成績要件が学生の学びを狭めている現実を、政府はどう認識しているのか」と文部科学省にただした。
しかし、阿部俊子文部科学大臣は「必ずしも学生の学習意欲を削いでいるとは考えていない」と答弁し、学生の声に耳を傾けようとしなかった。
本当に必要な支援とは
吉良氏は、「支援の条件を細かく設定することで、かえって支援から漏れる学生が増えてしまう」と強調。成績要件の撤廃を求めるとともに、「学生たちが切実に求めているのは、学費そのものの引き下げ、そして無償化だ」と訴えた。「すべての学生を対象に学費を引き下げることこそ、最大の修学支援ではないか」と政府に迫った。
改定法案は成立
大学修学支援法の改定案は、3月31日の参議院本会議で、自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決・成立した。一方、日本共産党は「支援が不十分であり、根本的な学費負担の軽減につながらない」として反対の立場を取った。
学生たちの声は届くのか
学費の高さに悩む学生は多く、「学ぶ意欲があっても経済的理由で大学進学を諦める」というケースは後を絶たない。今回の法改定で一部の支援は拡充されるものの、根本的な学費負担の軽減には至らなかった。
今後、学生たちの切実な声がどこまで政策に反映されるのか。政治の姿勢が問われている。