2025-06-21 コメント: 1件 ▼
鈴木宗男氏が自民党から比例出馬を正式表明 復党と高齢出馬に賛否広がる「最後の戦い」
鈴木宗男氏、自民党から出馬表明 「最後の戦い」で問われる復党の是非
77歳を迎えた鈴木宗男前参院議員が、再び永田町の第一線へ返り咲こうとしている。6月21日、札幌市内で開かれたセミナーにおいて、「もう一度挑戦して、国民のために結果を残したい」と語り、夏の参院選比例代表に自民党から立候補する意向を正式に表明した。
この出馬は、単なる一政治家の再起ではない。かつて自民党を離党し、日本維新の会から当選した経歴を持つ鈴木氏が、再び古巣に復帰するという「復党劇」には、党内外からの賛否が渦巻いている。
参院比例選に出馬するには、政党間の移動を禁じる国会法の規定により、一度議員を辞職する必要があった。そのため鈴木氏は、6月20日の参院本会議で正式に辞職が許可され、同日付で自民党へ復党。21日の表明は、こうした法的手続きを経たうえでの決断だった。
「77歳の“最後の戦い”って、いつまでやるんだ。国会に定年制を設けるべきでは?」
「復党って、裏でどんな取引があったんだろうと疑いたくなる」
「維新から出たのにまた自民?節操がなさすぎる」
元維新から無所属、自民へ 変遷の中に見える“鈴木流”
鈴木宗男氏の政治歴は波乱に満ちている。もともと自民党の衆院議員として長年活動していたが、2002年に離党。その後は自身が設立に関わった「新党大地」や、「日本維新の会」などを経て、2019年の参院選では維新から出馬し当選を果たした。
しかし2023年に維新を離党。以後は無所属として活動していたが、再び自民党に復党し、比例での出馬を決意した格好だ。
こうした経歴は「信念に基づく行動」と取るか、「節操のない渡り鳥」と見るかで評価が分かれる。かつてロシアとの外交パイプを強く意識した独自の外交路線でも知られたが、近年は影響力も限定的になっていた。
本人は「これまでの政治経験を活かし、国益を守る戦いをする」と語るが、かつての発言や行動が保守層からもリスクと見られている側面は否めない。
復党を許可した自民党の打算 比例票狙いか
今回の復党劇は、本人の熱意だけで成立したわけではない。実際には自民党幹部の計算も働いている。森山裕幹事長から「会期末での辞職が望ましい」と助言があり、そこから復党手続きが進んだ。
鈴木氏は地元・北海道に根強い支持を持ち、比例選での集票力が期待される存在でもある。近年、自民党は都市部や無党派層の離反に悩まされており、組織票や地域の基盤がある候補者の復帰は「票の上積み」として歓迎される傾向にある。
とはいえ、党内には「過去に問題を起こした人物を、なぜ今さら迎えるのか」という冷ややかな声もある。政治資金やロシア外交にまつわる過去の言動は、党の看板にとって必ずしもプラスとは限らない。
「党の理念って何なの?集票マシンにしか見えない」
「票になるなら誰でも受け入れる自民の姿勢が一番問題だと思う」
“最後の戦い”が問うのは、政治の倫理と世代交代
「全身全霊で最後の戦いに臨む」と語る鈴木氏だが、ネット上では「いつまでベテラン頼みなのか」という疑問が相次いでいる。厚労省の調査では、日本男性の健康寿命は72歳程度。77歳の出馬には、体力や判断力への懸念もつきまとう。
近年、国政では80代議員の再出馬や、高齢化した議員構成がたびたび問題視されている。政界に定年制を設けるべきという議論も強まりつつある中、今回の鈴木氏の出馬は、こうした議論に再び火をつける形となった。
本当に“国民のため”を考えるなら、若い世代へのバトンタッチこそが必要なのではないか。世代交代を促さず、旧来の人脈と権威に頼る姿勢が、政治の停滞を招いているとも言える。
さらに、復党と比例出馬を巡る今回の動きは、「政党とは何のためにあるのか」「議員個人の信条と党の方針の整合性はあるのか」といった、政治の本質にも関わる問いを突きつけている。
「信念」か「打算」か 有権者の目が問う選挙の本質
鈴木宗男氏の出馬劇は、今夏の参院選を象徴する出来事となるかもしれない。「ベテランの底力」を見るのか、「過去にしがみついた老害政治」と捉えるのか――。
選挙は政党だけでなく、有権者の価値観をも問う。復党劇や高齢出馬に違和感を抱くなら、その意志を票で示すしかない。
「最後の戦い」と位置づけた鈴木氏の挑戦が、果たして有権者の支持を得られるのか。比例選という“政党の顔”としてふさわしい存在なのか。注目が集まっている。