2025-06-13 コメント投稿する ▼
自民党、鈴木宗男氏の比例擁立を検討 有罪歴とロシア渡航問題に党内から反発も
自民党が鈴木宗男氏の擁立を検討 北海道の知名度頼みに党内で賛否割れる
自民党が今夏の参議院選挙において、無所属の鈴木宗男参院議員を比例代表候補として擁立する案を検討していることが明らかになった。13日に党関係者が語ったところによると、鈴木氏を公認するために、まずは現職の参院議員としていったん辞職し、改めて自民党から立候補する形が想定されているという。だがこの動きに対して、党内では異論も噴出しており、執行部は判断に慎重を期している。
過去の経歴が再び問われる鈴木宗男氏
鈴木氏といえば、北海道を地盤とするベテラン政治家であり、その強い地元基盤と知名度を武器に、これまで何度も国政復帰を果たしてきた。特に道内での支持層は根強く、自民党が比例票や北海道選挙区(改選数3)での票の上積みを図るうえで「計算できる存在」として白羽の矢を立てた形だ。
しかし、鈴木氏の過去には数々の政治的なスキャンダルが付きまとう。2002年には北方領土支援事業を巡る疑惑で自民党を離党。東京地検特捜部によって逮捕され、2010年に有罪判決が確定した。また、2023年には無届けでロシアを訪問したことで、当時所属していた日本維新の会を離党している。こうした一連の経緯が、「国民の信頼を得られる候補者か」との根本的な疑問を呼んでおり、党内の慎重論に火をつけている。
党内からは「自己矛盾」「二枚舌」との批判も
自民党執行部が抱える葛藤は、単なる選挙戦略にとどまらない。政治とカネの問題や倫理的な基準を巡って厳しい視線が注がれる中で、「過去に有罪判決を受けた人物を公認すること」が自党の説明責任やガバナンスとどう整合するのか、という根本的な問題が浮上している。
とある自民党関係者は「いくら地元で強くても、政党としての一貫性が問われる」と漏らす。また、与党の一角である公明党や支持団体からも、慎重な対応を求める声が出ているという。
それでも擁立案が現実味を帯びている背景には、選挙区ごとに危機感を募らせる与党陣営の焦りがある。北海道では、立憲民主党や日本維新の会、共産党などが組織的な運動を展開しており、2議席確保が容易ではない。比例票の底上げと選挙区の「一騎打ち回避」を見越し、鈴木氏の影響力を「選挙限定」で活用しようとする動きが強まっている。
ネット上で噴出する怒りと皮肉
鈴木宗男氏の再登板が検討されているという報道は、すぐさまSNS上でも大きな反響を呼んだ。とりわけ、政治の信頼性を損なう象徴として、怒りや失望の声が相次いでいる。
「有罪判決受けた人をまた公認?それで『政治改革』とか言えるのか?」
「政治とカネの問題でさんざん言われたのに、また宗男?記憶力ゼロかよ」
「こういう政治家を公認するって自民党らしい。参院選では惨敗して。」
「ロシアに無断渡航した議員を国政に戻すって、もはやギャグ」
「北海道の保守票をなめすぎ。地元もバカじゃないぞ」
ネットユーザーからは、「自民党は本当に保守政党なのか」といった根源的な疑問すら投げかけられており、今回の擁立検討が「改革の逆行」と捉えられていることは明白だ。
票欲しさの擁立は保守政治の自己否定
本来、保守政治とは「公の信頼」を基盤とするものであり、個人の利害や選挙の打算を優先させることとは本質的に相容れない。鈴木宗男氏のように、刑事事件で有罪が確定し、しかも最近ではロシアとの不適切な関係が問題視された人物を公認候補として扱うのは、国民への背信行為に等しい。
今こそ自民党には、安易な選挙目当ての擁立ではなく、「信頼される政治とは何か」に立ち返る姿勢が求められている。票を稼げば何でも良いという短期的視点は、政治そのものの劣化を招く。むしろ今必要なのは、企業・団体献金を受け入れるような体質と決別し、クリーンな政治家を中核に据えた「真の政治改革」ではないだろうか。
政治家は、誰のために、何のために存在しているのか。選挙のたびにその信念が問われている。