2025-07-16 コメント投稿する ▼
特区民泊の95%が大阪市に集中 中国系事業者が4割超、外国人不動産所有の温床に?
特区民泊の9割以上が大阪市に集中
訪日外国人の急増により、民泊需要が高まる中、特区民泊の認定施設の約95%が大阪市に集中しているという実態が浮き彫りになった。さらに、その運営事業者の4割以上が中国人や中国系法人とみられており、不動産の外国人所有拡大にもつながっているとの指摘がある。
現場からは生活環境悪化の声も
百貨店や高級ブランド店が立ち並ぶ大阪・心斎橋エリアに住む73歳の女性はこう語る。
キャリーケースがゴミのように置き去りにされる様子を見ると、本当に困ってしまう
向かいのマンションは住民よりも民泊客の出入りが目立ち、ゴミ出しのルールが守られないなど、住環境の悪化に悩まされている。施設の管理は中国系企業が担っており、宿泊者の大半は中国からの旅行客だという。
営業日数制限のない「特区民泊」
通常の民泊は住宅宿泊事業法により年間180日までの営業日数制限があるが、大阪市が進める特区民泊は、国家戦略特区の枠組みにより通年営業が可能。
万博による宿泊需要の高まりに対応するため、2016年に区域計画の認定を受けた。
2024年5月末時点で、特区民泊の認定施設数は6,331件。これは全国シェアの95%を超えている。
新規参入しやすい仕組みが拡大要因
民泊事業者によると、
物件さえあれば、予約管理や設備の運用は代行業者に任せられるため、初心者でも参入しやすい
という。こうした低参入障壁により、海外投資家や中国系資本の流入が加速したとみられている。
中国系による届け出は4割超、今後さらに増加も
阪南大学・松村嘉久教授の調査によれば、2024年4月末までに届け出された特区民泊のうち、中国系とみられる事業者は延べ2,635件(全体の42.5%)に上る。
土地や建物の所有者まで調べれば、その割合はさらに高くなる可能性がある
と警鐘を鳴らしている。
1棟全室が民泊、所有者全員が別事業者という事例も
大阪・日本橋のあるマンションでは、全15室の所有者がそれぞれ別の民泊事業者として届け出を行っていた。土地と建物の所有者も中国系企業。
こうした事例が外国資本による“地域の実効支配”のように進行しているとの懸念も広がっている。
制度の抜け穴と“民泊投資バブル”
別の事業者はこう語る。
民泊で稼げなくなれば賃貸に切り替えればいい。結局、不動産投資としては非常に魅力的な制度
つまり、制度に抜け穴がある以上、資産運用の一環として民泊が使われ、日本の不動産が外国資本に吸収されていくリスクが現実化しているという。
“稼ぐまち”か、“暮らすまち”か──地域の岐路
大阪・関西万博の集客が進む一方で、民泊とインバウンド偏重の政策が地域住民の生活を圧迫している。
観光立国を掲げる日本が直面するのは、「誰のための都市づくりか」という根本的な問いだ。