2025-08-04 コメント投稿する ▼
埼玉・大野知事、トルコ国籍者ビザ免除停止を初要望 川口市の治安不安で国に直訴
埼玉・大野知事、トルコ国籍者のビザ免除停止を初要望 川口市の治安不安を背景に
埼玉県の大野元裕知事は4日、外務省を訪れ、岩屋毅外相宛てにトルコ国籍者の短期滞在査証(ビザ)免除の一時停止を求める要望書を提出した。大野知事がこの問題で外務省に直接要望を行うのは初めてで、背景には川口市を中心とする地域での治安不安がある。
川口市に集中するトルコ国籍者と不安の声
川口市には現在、約2200人のトルコ国籍者が在留しており、その約75%が難民申請中だ。中には複数回の申請を行い、審査中の在留資格を利用して長期滞在するケースも少なくない。出入国在留管理庁によると、国籍別ではトルコが最も多く、全体の約46%を占める。大半はクルド人とみられ、地元では就労目的の不法滞在や治安悪化の懸念が広がっている。
大野知事は要望書で「ビザ免除を利用して入国し、正当な理由のないまま難民申請を繰り返す外国人が滞在を継続し、犯罪行為を行う事例が発生している。これにより住民に不安が広がっている」と指摘した。さらに「日本国内での不安感を助長するだけでなく、相手国への不信感を招き、友好関係にも悪影響を及ぼしかねない」と述べ、ビザ免除の一時停止を求めた。
県民からの切実な声
埼玉県には令和5年度、6年度ともに約400件、今年度は5月末までにすでに70件の外国人問題に関する不安の声が知事宛に寄せられている。多くは治安や移民政策への懸念で、特に川口市周辺からの意見が目立つ。
「生活環境が急激に変わり不安だ」
「難民制度を悪用している実態を見直してほしい」
「治安が悪化して子どもを安心して外に出せない」
「国が本気で地域の声を聞くべきだ」
「友好よりもまず国民の安全を優先してほしい」
国の反応と今後の焦点
大野知事が要望を手渡した際、松本尚外務政務官は「よりよい方向に進むよう国も協議している」と述べるにとどまり、具体的な対応には触れなかった。岩屋外相も国会で「直ちに停止することは考えていない」と繰り返しており、政府は現時点で消極的な姿勢を崩していない。
大野知事は面会後、「われわれの要望を真摯に受け止めてもらえた。まずは国の対応を注視していく」と語った。しかし、国が迅速な対応を取らなければ、地域の不安は解消されず、住民の不信感がさらに高まる可能性がある。
ビザ免除制度は国際友好に寄与する一方、制度悪用や地域の治安に与える影響が深刻化すれば、見直しは避けられない。今回の要望は、地域の声を国政にどう反映させるかを問う重要な試金石となる。