2025-06-02 コメント投稿する ▼
田村智子氏「れいわは無責任」発言の背景 共産党の消費税戦略と財源論が浮き彫りに
共産党とれいわの違いが鮮明に
2025年6月2日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」に日本共産党の田村智子委員長が出演し、れいわ新選組との違いについて言及した。両党ともに左派政党として近い政策を掲げているが、消費税の減税・廃止をめぐる立場については大きな違いがあると田村氏は明確に語った。
「消費税の5%緊急減税は今や国民的要求。その財源をどうするかが問われている」と前置きしたうえで、れいわ新選組が財源を国債発行で賄おうとしている点を、「率直に言って無責任な提案と言わざるを得ない」と厳しく批判した。
共産党の財源論は「アベノミクスの是正」
共産党は、消費税5%への緊急減税を訴えており、その財源として、アベノミクス以降に大企業に対して行われてきた約11兆円規模の法人減税の見直しを提案している。さらに、大株主などへの金融所得課税を強化することでも財源を確保するとしており、「持てる者が応分の負担をする公平な税制への転換」を掲げている。
田村氏は、「アベノミクスで恩恵を受けてきたのは一部の大企業や富裕層。そのツケを庶民に押し付けてきたのが今の日本の税制」と指摘。「私たち共産党は、その不公平な構造を正すことで、消費税減税の現実的な道を示している」と強調した。
国債頼みの経済運営に警鐘
れいわ新選組の主張する「国債発行による減税財源」について、田村氏は次のように懸念を示した。
「一時的な危機、たとえばコロナ禍や大震災の際には、国債を発行して暮らしを支えるのは当然です。しかし、恒常的な税収不足を国債で補い続ければ、やがて金利を上げられない“財政のわな”に陥る。実際、アベノミクスが異常な円安を招き、輸入物価の高騰をもたらしました」
この指摘には、金融政策と財政運営が連動し、結果的に生活コストを押し上げる危険性があるという視点が含まれている。田村氏は「バラマキではなく、財政の健全性と持続可能性を両立させるのが政治の責任」と語る。
れいわの強みも認めつつ反省も
ただし、れいわ新選組の活動全般に対しては一定の評価も口にしている。「SNSでの発信力や、各地でのデモ、街宣活動の勢いは素直にすごいと感じる」としつつも、「共産党はそういった努力が足りなかった」と自省の念を滲ませた。
近年の選挙結果では、共産党が比例票を落とし、れいわ新選組が若年層を中心に支持を伸ばしているという現実がある。田村氏は「今こそ、若い人たちに現実的で責任ある改革を提示できるかが問われている」と語った。
ネットでも賛否が交錯
今回の「無責任」発言を受けて、SNS上ではさまざまな反応が飛び交っている。
「田村さんの言ってること、正論だと思う。国債頼みは持たないよ」
「共産党がここまで財源に厳密なのは好感持てる」
「れいわの方が夢がある、共産党は地味すぎ」
「若者の心を掴んでるのはれいわだけど、地に足ついてるのは共産党かも」
「バラマキばかりじゃ意味がない。やはり財源論は大事だよね」
世代間や支持者の間で意見が割れる中、田村委員長の冷静な政策論が一定の支持を集めていることも確かだ。
選挙で問われる「現実性」
消費税減税は、今後の国政選挙において大きな争点となる見通しだ。田村氏は「消費税をなくしても国は回る、そのために何を削り、何を見直すかを提示するのが政治の責任」と語る。
ポピュリズム的な公約に流されるのではなく、現実的で筋道の通った政策を提示することが、共産党としての信頼を回復する道であると考えているようだ。
今後の選挙戦では、両党がそれぞれの立場から消費税減税をどう語るかが、有権者の判断材料となるだろう。