2025-12-04 コメント投稿する ▼
日本共産・都委が国会に定数削減反対署名提出 議員定数削減の問題点と民主主義への警鐘
この動きに対し「議員定数削減は民意の多様性を切り捨てる」との懸念も強まっており、制度改革のあり方が国論を二分している。 小池氏も「定数削減ではなく、企業・団体献金の禁止こそ先である」と語り、政治の腐敗追及を優先すべきだと主張した。 特に現在のように比例代表を削ることで、多様な民意や少数政党の声を切り捨てるような改革は、民主主義の根幹を脅かす。
背景 ― 議員定数削減を巡る動き
最近、与党の自由民主党(自民)と日本維新の会(維新)が、衆議院議員の定数をおよそ1割削減する方針を掲げ、臨時国会に法案提出を目指している。両党は連立政権で合意し、定数削減は選挙制度改革や行政コスト削減の一環と主張してきた。具体的には、比例代表や小選挙区の定数を削る案が検討されている。
この動きに対し「議員定数削減は民意の多様性を切り捨てる」との懸念も強まっており、制度改革のあり方が国論を二分している。
都委の署名提出 ― 実際の行動とその意味
2025年12月4日、日本共産党東京都委員会は、定数削減に反対する請願の署名をまとめ、国会提出に向けた行動を行った。署名は、当初からの呼びかけに応じて3500人分が集まったものだ。 行動には党都委のトップである田村智子委員長、小池晃書記局長らに加え、参議院議員の山添拓氏、吉良よし子氏、元衆議院議員の宮本徹氏も参加した。党はこれとあわせ、消費税減税を求める署名も1万5500人分預かっており、一体の政治要求として訴える構えだ。
田村氏はあいさつで、定数削減を「多様な民意を切り捨てるもの」と批判し、署名を集めた市民との対話の重要性を強調した。さらに、この動きは単なる制度改革ではなく、裏金問題や消費税の重さに対する国民の不満が背景にあると述べた。党として反対の声を広げていく決意を示した。
小池氏も「定数削減ではなく、企業・団体献金の禁止こそ先である」と語り、政治の腐敗追及を優先すべきだと主張した。
なぜ議員定数削減に反対か ― 理由とリスク
まず、現在の日本の国会議員の定数は、人口比でみれば決して多いとは言えない。日本の定数構成は、人口100万人あたり約5.6人とされ、主要国の中でも下位に位置するという。つまり「議員が多すぎるから減らす」という主張には実態と乖離がある。
また、特に問題視されるのが比例代表枠の削減だ。比例代表制度は、小選挙区では当選が難しい少数意見や小政党の声を国会に届ける重要な仕組みだ。これを削れば、多様な民意や少数意見が反映されにくくなり、民主主義の根幹が揺らぐ恐れがある。
加えて、一部の研究では、議員を減らすことでかえって行政へのチェック機能が薄れ、役人や官僚の無駄遣いや権力集中を招くとの警告もある。議員が多様な問題を監視・議論する余地が狭まる可能性があるからだ。
さらに、「政治とカネ」の問題が本来の改革テーマだったはずだ――という批判も根強い。今回削減が急浮上した背景には、過去の政治資金スキャンダルがあり、参政用の資金規制や企業・団体献金の禁止の方が優先すべきという声も多い。定数削減は、こうした重要な議題を先延ばしにする“すり替え”ではないか、という見方だ。
見通しと党の対応
現時点で、自民・維新連立政権は臨時国会での定数削減法案の成立をねらっており、年内または近くの会期中に審議・可決の可能性が高い。
それに対し、日本共産党は今回の署名提出を通じて強く反対の姿勢を示し、引き続き市民との対話を広げると明言している。これは単なる制度論を超えた民主主義の議論だ。
とはいえ、定数削減を「身を切る改革」と受け止める有権者の声も無視できない。真に政治の透明性を高めるには、議員数の削減だけでなく、報酬の見直しや企業・団体献金の禁止、政治資金の公開など根本的な改革の組み合わせが必要だ。学者の中には、「議員数を減らす代わりに報酬を少し減らし、過疎地域の議席を復活させるべきだ」と提案する者もいる。
しかし、今回提示された削減案が数合わせのような内容、かつ議論の過程が拙速であるとの批判も強い。民主主義の土台を慎重に扱う必要がある。
民意を削る改革は慎重にすべき
私は、議員定数削減そのものを安易に進めるべきではないと考える。特に現在のように比例代表を削ることで、多様な民意や少数政党の声を切り捨てるような改革は、民主主義の根幹を脅かす。 与野党は「身を切る改革」と言うが、それは議員の数を減らすことではなく、報酬の適正化や企業献金の禁止などの構造改革だ。もし国民にとって本当に「政治のムダ」や「カネの腐敗」が問題なら、そちらを先に手をつけるべきだ。今回の署名行動は、そうした本質から目をそらす動きへの強い警告と受け止める。