2025-06-11 コメント: 1件 ▼
玉木代表「税収は国民のもの」発言が波紋 減税主張に石破首相が反論「侮辱はやめて」
玉木代表が減税を主張 「税収は与党のものではない」発言が波紋
6月11日の党首討論で、国民民主党の玉木雄一郎代表が、物価高騰対策として検討されている現金給付に対し痛烈な批判を展開した。「上振れた税収は自民党や公明党のものではない」と主張し、その財源を減税という形で国民に還元すべきだと訴えたこの発言は、波紋を呼んでいる。
一方、石破茂首相(自民党総裁)は、「ばら撒きや高所得者優遇とならないよう」政策は慎重に形成すべきだと釘を刺しつつも、「政策としていろいろな選択肢がある」と述べ、現金給付の可能性を完全には否定しなかった。
玉木氏「働く納税者に報いるのは減税こそ」
今回の論戦の核心は、2024年度の税収が想定を上回る「上振れ分」の扱いをめぐるものだ。玉木氏は、税収が増加した以上、それを使って物価高対策として再分配すること自体は理解できるとしながらも、その方法が「選挙前のバラマキ」になってはいけないと警鐘を鳴らした。
「上振れた税収は、自民党のものでも公明党のものでもない。一生懸命働いている国民、納税者のものだ」
「還元すべき税収があるなら、配るのではなく減税で返すのが筋だ」
玉木氏はこのように語り、繰り返し「納税者に誠実な政治」を求めた。所得制限なしの給付金案に対しても、「なぜ同じ愚策を何度も繰り返すのか」と疑問を呈し、過去の給付金政策が十分な効果を上げなかったことを指摘した。
石破首相「侮辱はやめていただきたい」発言で応酬
これに対して石破首相は、税収を「自民党のもの」とする玉木氏の発言に強く反発。
「税収が与党のものだなどと思ったことは、一度もない。そのような侮辱はやめていただきたい」
「本当に困っている人にきちんとした手当てができるような政策を実現する」
首相としての立場を強調しつつも、現金給付の是非については明言を避けた。財政健全化と支援政策の両立を模索する姿勢を見せたが、その発言には明確さを欠く部分が残った。
玉木氏は、「結局、選挙が近づけばまた配るのでは」と懸念を口にし、制度の持続性や一貫性に疑問を呈した。
減税か給付か、国民の意識はどちらに
今回の党首討論を通じて改めて浮かび上がったのは、「給付による救済」と「減税による公平な負担軽減」のどちらが国民にとって真に望ましいかという問いである。玉木氏の減税主張は、政府が予算の無駄を削減し、手元に残る可処分所得を増やすことで、家計の根本的な改善を図るべきだという考え方に基づいている。
SNSでも、両者の応酬をめぐって様々な意見が飛び交った。
「玉木さんの言う通り。税金は政治家の財布じゃない」
「給付なんかより、消費税を一時的にでも下げてほしい」
「石破首相、怒る前にちゃんと説明しないと」
「給付=選挙対策ってイメージはもう国民にバレてる」
「減税されれば生活も企業も息がつける。そろそろ方針転換して」
中でも特に多かったのは、繰り返されるバラマキ型の経済対策に対する倦怠感と、恒常的な減税を求める声である。現金給付は一時的には家計を助けるが、インフレや増税によってすぐに効果が薄れるという指摘も目立った。
政治に問われる「税金の正当な使い道」
玉木氏の「税収は国民のものである」という主張は、当たり前のように聞こえるが、現実の政治においては時に曖昧にされがちだ。与党が税収を政治的な裁量で使い、有権者の歓心を買おうとする構図は、過去にも繰り返されてきた。選挙が近づくたびに配られる給付金、そこには一貫性も理念も乏しい。
減税という選択肢は、複雑な事務手続きやターゲット選定の必要が少なく、透明性と公平性に優れている。とりわけ現役世代や中間層が物価高の直撃を受ける中、手取りを増やす施策が求められている。
党首討論は終わったが、問われているのは「どの政党が最も国民の税金を尊重しているか」である。その答えを出すのは、選挙の場である国民一人ひとりだ。