2025-05-26 コメント投稿する ▼
玉木雄一郎氏が提起「米価政策の限界」─農家所得を守る新たな“所得政策”への転換を訴え
備蓄米の価格は下がるが…根本解決には“所得補償”が不可欠
農林水産省が発表した備蓄米の放出条件に対し、国民民主党の玉木雄一郎代表がX(旧Twitter)で政府の対応を評価しつつも、中長期的な政策転換の必要性を強く訴えた。
備蓄米の価格抑制、短期的には効果あり
農水省は、5kgあたり2,000円程度で消費者が購入できるよう、業者に対しては5kgで892円(60kgあたり10,700円)で売り渡すと発表。流通業者のマージンを考慮した価格設定で、6~7月の店頭価格の下落が期待されている。これについて玉木氏は、
「2,000円/5kgで店頭に並ぶように、マージンを勘案して892円/5kgで売り渡すのだから、6月、7月の備蓄米の販売価格は2,000円台に下がるだろう」
と短期的な効果を見込んでいる。しかし、米価安定は一過性のものにとどまる可能性があるという。
9月以降の新米価格には不安も
秋以降に出回る新米については、すでに一部のJAで60kgあたり2万3,000円という高めの買い取り価格が提示されており、価格が下がらない可能性が高い。玉木氏は、
「新米は2,000円台/5kgには下がらないだろう」
とし、今後も消費者の負担が続くことを示唆する。
価格政策から所得政策へ、構造転換の必要性
米の価格高騰は一時的な供給問題ではなく、政府の農政そのものに原因があるというのが玉木氏の見立てだ。彼は、「再生産可能な農家の所得を守りながら、手頃な価格で米を消費者に届ける」という本質的な課題を提起し、こう続けている。
「まず、国が生産量を抑制して人為的に価格を高く保つ『価格政策』から卒業することである」
さらに、今のようなインフレ環境では、消費者に高価格を強いる政策は限界があるとし、
「デフレの時代ならともかく、インフレの時代に、人為的に価格を高く保ち、『消費者負担で』農家所得の確保を図る政策には無理がある」
と強調した。
自民党の「減反廃止」は名ばかりだった?
2018年、当時の安倍政権が掲げた「減反廃止」は、表面的には自由化に見えたものの、実際には飼料用米への転作奨励など、事実上の減反政策が温存された。玉木氏はこれが今回の「米価騒動」の遠因だとし、
「事実上の減反政策を継続したことが、今回の令和の米騒動の遠因になっていると考える」
と政権の一貫性のなさに苦言を呈した。
ネットでも広がる共感と議論
玉木氏の投稿には多くのユーザーが反応している。
「今の価格政策はもう限界。農家も消費者も疲弊するだけ」
「農産物もガソリンみたいに補助金で対応できないの?」
「農業は国の基盤。直接支払いは当然でしょ」
「毎年価格が乱高下するのが辛い。安定供給を望む」
「国の政策で米が買えないなんて、本末転倒では?」
28日の委員会審議に注目
玉木代表は、5月28日に開かれる衆議院農林水産委員会で、農水相に対し直接的な議論を挑む構えだ。彼が訴えるのは、消費者も農家も納得できる“新しい農政”の姿であり、それは「価格政策」ではなく「所得政策」への大胆なシフトだ。
日本の食と農をどう守るか――その未来を左右する議論が、まさに今始まっている。