2025-04-11 コメント: 1件 ▼
外為特会の「眠れるお金」で物価高対策を 国民民主が法案提出
政府が保有する外貨準備は3月末時点で約1兆2725億ドル、日本円にしておよそ181兆円に上る。党の玉木雄一郎代表は「この中から10兆円程度を取り崩して、生活支援や防衛力強化に充てるべきだ」と訴えている。
「持ちすぎ」指摘される日本の外貨準備
外為特会は、急激な円高などに対応する「為替介入」の資金を管理する仕組みだが、実際には多くの資金が使われずに眠っている状態が続いている。特に日本は、他の先進国と比べても保有額が突出して多く、その大部分をアメリカ国債として保有している。
国民民主党はこの点に注目。他国の事例を参考にしながら、過剰とも言える保有水準を見直し、余った資金を今こそ有効活用すべきだと提案した。
法案のポイント
今回の法案では、次のような内容が盛り込まれている。
- 外貨準備高の水準を国際的な基準と照らして再評価する
- 過剰と判断された分の資金は、以下の分野に活用する
・物価高騰への対策
・経済安全保障
・防衛力の整備
・脱炭素社会の実現
- 米国債中心の運用から、より多様な運用手法への転換も検討する
玉木代表「今こそ国民のために使うべき」
玉木代表は、取材に対し「181兆円も持っているが、必要な時に動かせないお金になってしまっている。10兆円くらいなら支障なく出せる。物価高で苦しむ国民の生活を守るために、すぐにでも対応すべきだ」と語った。
ただし、米国債を大量に売却すると市場に与える影響が大きいため、「運用や取り崩しには慎重さも必要」とバランスにも配慮した姿勢を見せた。
今後の焦点は与党の対応
国民民主党は以前から、消費減税や現金給付では足りない部分を「国の眠れる資産」で補うべきだと主張してきた。今回の法案もその一環だが、与党がどう反応するかは不透明だ。政府側はこれまで「外為特会は為替介入用」との立場を崩していない。
今後、国会でこの提案がどこまで議論されるか、また、他の野党や与党内からどのような声が上がるかが注目される。