2025-03-27 コメント投稿する ▼
国民民主党、地方選で快進撃も資金・人材確保に課題
■ 地方選挙での快進撃
3月23日に投開票された市議選では、国民民主党の公認候補が多数当選を果たした。東京都小金井市議選では天野佳奈氏が1位、茨城県北茨城市議選では浅野哲青年局長の元秘書である滑川宗宏氏と現職の今井路江氏が1位と2位を占めた。静岡市議選でも、葵区の杉山真裕子氏と清水区の堀池昂平氏がトップ当選を果たした。長崎県諫早市議選では橋本裕太氏が、奈良県香芝市議選では元市長の福岡憲宏氏がそれぞれ高得票で当選した。
■ 玉木代表の総括と今後の展望
玉木雄一郎代表は、地方での好成績について、候補者や陣営の努力に加え、物価高騰やガソリン価格の引き下げ、生活支援策への期待が集まった結果と分析している。また、次期参院選では、改選議席4議席の4倍となる16議席獲得を目指し、非改選の5議席を加えて21議席への拡大を目標としている。21議席確保で、予算を伴う法案を単独提出できるようになる。
■ 党勢拡大の陰で浮上する課題
しかし、急速な党勢拡大には課題も伴う。昨年の衆院選では、比例区で候補者名簿の登載者不足により、東海ブロックで2議席、北関東ブロックで1議席が他党に回った。静岡市議選の例でも、杉山氏の1万3082票は最下位当選者の5倍近く、堀池氏の9312票は3倍以上であり、複数候補の擁立が可能だったと指摘されている。
■ 資金面と人材確保の課題
多数の候補者擁立の最大の障壁は資金面である。政党交付金で、国民民主党は昨年11億1931万3000円を受領したが、自民党の160億5328万9000円や立憲民主党の68億3544万円には及ばない。また、国政選挙や地方議員選挙では、供託金が必要であり、財政基盤の弱い政党にとっては大きな負担となる。さらに、人材確保の面でも、静岡市議選の駿河区で候補者を擁立しなかったことが示すように、十分な人材を確保することが難しい状況である。
■ 党内のガバナンスと今後の展望
党勢拡大に伴い、党内でのガバナンスの欠如も問題となっている。千葉県連でのパワハラ問題が表面化し、関係者の離党が相次いだ。これに対し、国民民主党は倫理委員会とハラスメント対策委員会を設置し、調査を進めている。立憲民主党の小沢一郎・総合選挙対策本部長代行は、国民民主党の勢いについて「そろそろ峠だ」と指摘し、政権を目指さない政党は長続きしないと述べている。
- 地方選挙での好成績:国民民主党の公認候補が複数の市議選でトップ当選。
- 次期参院選の目標:改選議席4議席の4倍となる16議席獲得を目指す。
- 資金面の課題:政党交付金が限られ、多数の候補者擁立に支障。
- 人材確保の難しさ:静岡市議選での候補者不在が示すように、人材確保が課題。
- 党内ガバナンスの問題:千葉県連でのパワハラ問題が党内の課題を浮き彫りに。