2025-11-04 コメント投稿する ▼
能登半島地震・豪雨被災河川の本格復旧着手、河原田川で2028年度完了目指す
県は今年度中に河原田川を含む19河川で本格復旧工事を開始する予定で、残りの河川についても順次工事を進め、2028年度末までに全45河川の復旧完了を目指している。 能登半島地震では奥能登地域の45河川で護岸損壊などの被害が発生し、さらに9月の奥能登豪雨で34河川が追加被災した。
河原田川で護岸修復工事が始動
工事初日となった4日、輪島市内の河原田川では護岸修復に向けた道路整備作業が実施された。護岸ブロックを運び込むための基盤づくりが進められ、県奥能登土木総合事務所の納橋豊暢所長は「住民が安心して暮らせるよう一日も早く復旧させたい」と決意を語った。
復旧工事は段階的に進められ、まず護岸修復を完了させた後、川底を掘り下げる作業を実施する予定だ。河川の流れを改善し、今後の豪雨災害に備えた治水能力の向上を図る。
河原田川は奥能登地域の主要河川の一つで、2024年1月の能登半島地震により護岸が損壊し、同年9月の奥能登豪雨でさらに深刻な被害を受けた。特に豪雨では土砂や流木が大量に流れ込み、河道が著しく狭くなる状況が発生していた。
45河川の大規模復旧計画が本格化
県は今年度中に河原田川を含む19河川で本格復旧工事を開始する予定で、残りの河川についても順次工事を進め、2028年度末までに全45河川の復旧完了を目指している。対象となるのは奥能登4市町の輪島市、珠洲市、能登町、穴水町に位置する県管理河川で、このうち34河川は地震と豪雨の両方で被災している。
復旧工事は河川が増水するリスクが少ない非出水期の11月から本格的に開始された。人家が密集する地域など優先度の高い河川から順次着手し、地域住民の安全確保を最優先に進められる。
石川県は今年3月に「奥能登地区緊急治水対策プロジェクト」を策定し、国、県、市町などの流域関係機関が連携して治水対策を推進することを決定している。このプロジェクトでは、護岸復旧と合わせて川幅の拡幅や護岸の嵩上げなどの改良工事を実施し、災害に強い河川づくりを目指している。
「やっと本格的な復旧が始まった。これで安心して暮らせる」
「川が氾濫したときの恐怖を思い出す。早く元の生活に戻りたい」
「地震から立ち直ろうとしていた時の豪雨は本当につらかった」
「子どもたちの安全のためにも、河川の復旧は絶対に必要だ」
「復興への光が見えてきた気がする。頑張って前に進みたい」
二重災害の深刻な爪跡と復興への課題
能登半島地震では奥能登地域の45河川で護岸損壊などの被害が発生し、さらに9月の奥能登豪雨で34河川が追加被災した。特に豪雨災害では、地震で不安定になった土砂が大雨により一気に流出し、河川氾濫や土砂災害が多発した。
輪島市久手川町では塚田川が氾濫し、住宅4棟が流失する深刻な被害が発生した。この災害で中学生を含む4人が犠牲となり、地域住民に大きな衝撃を与えた。珠洲市でも珠洲大谷川などで甚大な被害が発生し、県の対応能力を超える規模となったため、国による権限代行での復旧作業が進められている。
奥能登豪雨による被害は、地震からの復興途上にあった地域に追い打ちをかける形となった。多くの住民が地震被害から立ち直ろうとしていた矢先の災害だったため、精神的なダメージも深刻で、復興への意欲を削ぐ要因となっている。
現在も被災地では家屋の残骸や大量の流木の撤去作業が続けられており、農業用地では土砂や流木の流入により、来シーズンのコメ作付けができない状況も発生している。
流域治水と創造的復興への取り組み
県は単なる原状復旧ではなく、将来の災害リスクを軽減する創造的復興を目指している。奥能登地区緊急治水対策プロジェクトに基づき、ハード対策として護岸復旧に合わせた川幅拡幅や護岸嵩上げを実施するほか、河道内に堆積した土砂の除去も進める。
ソフト対策では、地震で顕著な地形変動が生じた外浦の16河川について、洪水浸水想定区域を今年5月に見直し済みで、その他の河川についても2026年の出水期までに見直しを完了する予定だ。住民の避難行動を支援し、被害の最小化を図る。
一方で、珠洲大谷川や町野川、塚田川などの深刻な被害を受けた河川については、県の技術力を超える高度な復旧工事が必要なため、国による権限代行で復旧作業が進められている。これらの河川では約11キロメートルにわたって本格的な復旧工事が実施される。
復旧工事は地域経済の活性化にも寄与しており、建設業界では地震復旧で現地入りしていた多くの業者が豪雨災害時にも迅速な対応を可能にした。今後の長期間にわたる復旧工事により、雇用創出や地域経済の下支え効果も期待されている。