2025-08-04 コメント投稿する ▼
野田佳彦代表、石破首相の戦後80年見解を後押し 自民内対立も視野に発言
野田佳彦代表、戦後80年見解で石破首相を後押し 衆院予算委で発言
立憲民主党の野田佳彦代表は4日、衆院予算委員会で石破茂首相が意欲を示す「戦後80年」に合わせた見解発出について議論を展開し、首相に対し「やり遂げるべきだ」と強く促した。自民党内には保守派を中心に反発も根強いが、野田氏は党内事情よりも首相自身の信念を優先すべきだと訴えた。
歴史認識を巡る問題発言を背景に
野田氏はまず、自らはこれまで10年刻みでの談話発出に必ずしも賛同してこなかったと前置きしながらも、自民党の西田昌司参院議員による沖縄県糸満市の「ひめゆりの塔」に関する発言や、参政党の塩入清香参院議員による「核武装は安上がり」との発言を例示。
「もう1回、過去の歴史に向き合わなければならない。歴史を忘れたかのような発言や行動が多すぎる」と述べ、戦後80年を機に歴史認識を示す必要性を強調した。
また、形式にこだわらずとも、首相による明確なコメントが必要だとし、「閣議決定する時間がないから談話は無理としても、なんらかの首相コメントは出すべきだ」と迫った。これに対し石破首相は「形式はともかく、戦争を二度と起こさないための発出は必要」と応じ、前向きな姿勢を示した。
「首相の真骨頂」と持ち上げ
やり取りの中で野田氏は、戦没者の犠牲の上に成り立つ国の現状を振り返り、「もう1回、思いを致すことは大事だ。これこそ首相の真骨頂ではないか。ある意味、一番やりたかったことではないか」と述べ、首相の心情に寄り添う姿勢を見せた。
その一方で、自民党内には談話や見解発出に反対する声が強く、特に保守派の一部は「過去の謝罪外交につながる」との警戒感を隠していない。野田氏は「党内政局的にいろいろあるだろうが、続投するなら本人がやり遂げたいと思うことをやるべきだ」と改めて強調した。
与党分断を狙う思惑も
今回の発言は、石破政権の方針を後押しするように見える一方で、自民党内の路線対立を浮き彫りにする効果も持つ。野田氏は首相時代、消費税増税を含む社会保障と税の一体改革を決断し、結果として民主党分裂を招いた経緯がある。今回も、与党内の亀裂を深める政治的計算があるとの見方は否めない。
SNS上では賛否の声が交錯している。
「石破首相がやるべきだ。歴史を忘れてはならない」
「談話はもういい。過去に縛られるな」
「形式よりも中身が重要だ」
「与党内をわざと揺さぶっているだけでは」
「戦後80年、国内外にメッセージを出す意味は大きい」
石破首相がどのような形式で発表するかは未定だが、談話か簡潔な声明かを含め今後の判断は難航が予想される。発出内容や言葉の選び方によっては、国内世論だけでなく国際社会への影響も大きく、政権運営に直結する可能性がある。