2025-05-22 コメント投稿する ▼
同性・事実婚カップルを排除?立憲民主党が生殖補助医療法案に反対「憲法違反の疑い」
立憲民主党が生殖補助医療法案に反対 同性・事実婚カップル排除に「違憲の疑い」
立憲民主党は5月22日、政策決定機関である「ネクストキャビネット」で、精子や卵子の第三者提供による不妊治療に関する法案を検討した結果、反対する方針を固めた。理由として、治療の対象を「法律婚の夫婦」に限定している点が、憲法が保障する平等原則に反する可能性があると指摘している。
この法案は自民、公明、維新、国民民主の4党が共同で今年2月に参議院へ提出したもの。精子や卵子の提供に関するルールを初めて法律で定めようとする内容だが、制度の枠から外される事実婚や同性カップルには大きな影響が及ぶとして、立憲民主党内からは早くから疑問の声が上がっていた。
対象限定に「家族の多様性」からの異論
法案の骨子には、治療対象を「法律上の夫婦」に限ることが明記されている。この点について、立憲民主党は「憲法が認める個人の尊厳や法の下の平等に反する疑いが強い」と主張する。現代社会では、法律婚にとらわれずに家族を築こうとする人々が増えており、制度の適用範囲を限定することで、そうした多様な家族形態を排除する危険性があるという。
名古屋大学の大河内美紀教授(憲法学)は「家族のあり方が多様化する中で、制度が旧来の枠組みに固執していては現実にそぐわない」とし、法案の見直しが必要との考えを示している。
「出自を知る権利」も議論に
また、法案では、提供者に関する情報を生まれた子どもが18歳になってから一部請求できる制度が盛り込まれている。しかし、情報開示にはドナーの同意が必要とされており、当事者団体からは「本人の意思で出自を知ることができないのは人権上の課題」と批判が出ている。
特定生殖補助医療に関する制度を求める市民団体は、「子どもにとって出自を知ることは自己形成にとって極めて重要。提供者の都合だけで情報が遮断されるのは不当だ」と訴えている。
ネット上でも賛否の声広がる
SNS上でも、この法案に対する意見が多く交わされている。特に法律婚に限定する規定に対しては、反発が目立つ。
「同性カップルが除外されるなんて今さら?社会が変わってるのに法律がついてこない」
「事実婚って選択で生きている人たちもたくさんいる。その人たちの可能性を奪うのか」
「出自を知る権利が本人の意思だけでは認められないのはやっぱりおかしい」
「不妊治療の法律なのに、家族の形を制限するのは本末転倒」
「子どもを授かりたいという気持ちに、婚姻の有無は関係ないはずだ」
このように、法案の条文に盛り込まれた制限は、少子化対策を進める政府の姿勢と逆行していると見る向きもある。
今後の行方と論点
法案の附則には、制度施行から3年以内に全体の見直しを行い、さらに5年以内には対象範囲や出自に関する制度の在り方について検討を進めると明記されている。ただし、現行の内容で成立すれば、それまでの間は同性カップルや事実婚の当事者は制度の恩恵を受けられないままとなる。
立憲民主党は「そもそも審議入りするべきではない」と強い姿勢を示しており、国会での議論はしばらく紛糾が予想される。家族の多様性を尊重し、子どもの権利にも十分に配慮した制度設計が求められている。今後、当事者や専門家の声がどのように国会論戦に反映されるのかが注目される。