2025-05-06 コメント投稿する ▼
野田佳彦氏に倒閣の本気度はあるのか 自民との大連立を疑わせる「迫力なき党首討論」
党首討論に欠けた緊張感
立憲民主党の野田佳彦代表は、先日約半年ぶりに行われた党首討論で、石破茂首相に対して退陣を求めることすらなかった。石破政権は少数与党として綱渡りの政権運営を強いられているにもかかわらず、野党第一党の代表からは政権を奪取しようとする「気迫」や「闘志」がまるで感じられなかった。
この姿勢に多くの国民は落胆している。政権交代を視野に入れた議論や対決姿勢は影を潜め、討論の場は形式的な応酬にとどまった。かつてのように「首相の退陣を迫る」という野党の役割を果たさなければ、立民は単なる野党クラブに成り下がる恐れがある。
与謝野馨氏の「捨て石」の気概
平成22年の与謝野馨氏(元財務相)の国会質疑が思い出される。彼は当時の民主党政権の鳩山由紀夫首相に対し、母親からの資金提供問題をめぐって「平成の脱税王」と国会で糾弾した。あの時の国会には緊張感があり、政権を本気で倒そうという意志があった。
与謝野氏はその後、自民党を離れて民主党政権の一員となったことには批判もあるが、「野党とはこうあるべきだ」という姿を示したのは間違いない。その精神は、今の立民には見られない。
立民の「戦わない野党」化
昨年の衆院選での敗北を引きずったまま、立憲民主党は党勢を回復させる術を見出せずにいる。国会での存在感も、日本維新の会や国民民主党の陰に隠れてしまっているのが実情だ。
一部の立民関係者からは「石破首相のままのほうが参院選は戦いやすい」という声すら聞こえてくるという。これでは本気で政権を取る気などないと受け取られても仕方がない。もはや「与党の顔色をうかがう野党」と揶揄されても反論できまい。
疑われる大連立への布石
野田代表はフジテレビ番組で「不信任案を出す構えはあるが慎重に検討する」と発言した。しかし、こうした発言が慎重さというより「逃げ」と取られている。もし今、不信任案を出して解散に追い込む覚悟がなければ、選挙後に自民との連携、すなわち「大連立」構想が視野に入っているのではないかという憶測が飛び交うのも無理はない。
野田氏が本当に野党のリーダーとして政権を取る覚悟があるのか、それとも現状維持に甘んじる「改革なき穏健野党」にとどまるのか、その答えが参院選後に明らかになるだろう。
* 野田佳彦代表が石破首相に退陣を求めず、党首討論に迫力なし
* 平成22年の与謝野馨氏の質疑が「本気の野党」像として再評価される
* 立憲民主党は存在感を失い、他の野党に後れを取る
* 野田氏の発言や対応からは「自民との大連立」を疑わせる意図がにじむ