2025-04-23 コメント投稿する ▼
野田佳彦氏「国難と言いながら体制弱い」―トランプ関税交渉に苦言、自由貿易体制の再構築訴え
対米交渉の体制整備に対する批判
野田代表は、政府が設置した対米交渉のタスクフォースについて、「37人のタスクフォースは兼任ばかり。国難というならば専従のチームでないと精鋭とは言えない」と述べ、体制の不備を指摘した。また、農林水産省や国土交通省の担当者が含まれていないことに疑問を呈し、「何を持ってタスクフォースだったのか疑問がある」と述べた。さらに、交渉の初回会談で日本側の担当大臣がトランプ大統領のスローガン「Make America Great Again(MAGA)」の帽子をかぶって写真撮影に応じたことについて、「視覚的な印象は非常に日本にとってマイナスだ」と批判した。
自由貿易体制の維持に向けた提案
野田氏は、保護主義の台頭に対抗するため、日本が自由貿易の旗手として積極的な役割を果たすべきだと主張した。「いま保護貿易が台頭し、経済がブロック化すると一番不利益を受けるのは日本の消費者であり国民。自由貿易を推進することが日本の国益」と述べ、TPPの事務局を日本に設置することを提案した。また、日EU経済連携協定やRCEPといった自由貿易の枠組みを旧民主党政権時に構築してきたことを紹介し、「われわれの持ち味だと思っていたので、戦略的に取り上げた」と述べた。
石破首相の反論と今後の対応
石破首相は、対米交渉に関して「世界の自由貿易体制は守っていかねばならない」と強調し、政府の対応を擁護した。また、交渉の初回会談での対応について、「国益全体で考えたときに赤沢大臣として可能な限りの対応をした」と述べ、野田氏の批判に反論した。さらに、関税交渉において「食の安全を譲ることはない。日本人の安全はきちんと守っていかなければいけない」と述べ、農産品の市場開放に慎重な姿勢を示した。
今後の展望と課題
今回の党首討論では、対米交渉の体制整備や自由貿易体制の維持に関する課題が浮き彫りとなった。野田氏は、政府の対応を「朝貢外交」と批判し、より戦略的な外交姿勢を求めた。一方、石破首相は、政府の対応を擁護しつつ、自由貿易体制の維持に向けた取り組みを強調した。今後、日本が国益を守りつつ、自由貿易体制の維持にどのように貢献していくのかが注目される。
- 野田代表は、対米交渉の体制整備の遅れを批判し、「国難というならば専従のチームでないと精鋭とは言えない」と指摘。
- 交渉の初回会談での対応について、「視覚的な印象は非常に日本にとってマイナスだ」と述べ、政府の姿勢を「朝貢外交」と批判。
- 自由貿易体制の維持に向け、TPPの事務局を日本に設置することを提案し、日本が自由貿易の旗手として積極的な役割を果たすべきと主張。
- 石破首相は、政府の対応を擁護しつつ、「世界の自由貿易体制は守っていかねばならない」と強調。