2025-10-16 コメント投稿する ▼
野田佳彦氏、女性タレントの「なぜ総理に名乗り出なかった」質問に答える
女性タレントから「過去に総理大臣を経験しておられる中で、なぜ総理に名乗り出なかったのか」という直球質問を受け、対応を迫られた。 野田氏は過去の経験と政局の事情を絡めて、名乗り出なかった理由を説明した。 さらに、野田氏が強調した「野党での政権構想を議論してから誰をトップにするかを決める」というプロセス論は、野党結集の条件を揃えておきたいという意図の表れだ。
野田佳彦代表、生出演で女性タレントに“なぜ総理に名乗り出なかったか”追及される
立憲民主党代表の野田佳彦氏が16日、テレビ番組にリモート生出演。女性タレントから「過去に総理大臣を経験しておられる中で、なぜ総理に名乗り出なかったのか」という直球質問を受け、対応を迫られた。野田氏は過去の経験と政局の事情を絡めて、名乗り出なかった理由を説明した。
質問の場面と野田氏の答え
番組では、前日に自民党・高市早苗総裁と日本維新の会・吉村洋文代表が会談し、維新が自民と政策協議を始める可能性が報じられたことを取り上げた。司会の谷原章介氏は「維新が自民をかっさらった構図になった」と述べ、野田氏は「“かっさらった”かどうかは分からない。ここ数日でいろいろ起こるので、まだ決めつけられない」と述べた。
その後、タレントのゆうちゃみ(24歳)が画面を通じて前置きし、こう質問した。
野田さんは過去に総理大臣も経験されている中で、なんで総理大臣に立候補というか、名乗り出なかったのかなって
この質問に、野田氏は笑顔でうなずきながら反応。司会アナウンサーが「なぜ玉木(雄一郎)さんを推していたのかという意味でしょうか」と補足し、質問の意図を整理した。
野田氏は回答で、次のように述べた。
私は野党第1党の代表ですから、総理を目指す気持ちは当然持っていて、自党の代表選挙にも出た。だが昨年の総選挙後、議席を50議席増やし比較第2党となった。その後の自民党総裁選で石破茂氏と首班指名選挙で争った時、他党にも私の名前を書いてもらおうと働きかけたが不発に終わった
そして「それは1年前の話なので、失敗から学んだ。まずは野党でどういう政権を作るか議論を集めてから、誰をトップに担ぐかを決めるというプロセスを大切にしたい」と語った。その構えとして、今は名乗り出る時期ではないと判断したという論理だ。
分析:戦略・リスク・政局との関係
この質問と答弁のやり取りは、政治戦略とリスク管理が表れた一幕だ。野田氏自身が、名乗り出なかった判断を過去の選挙戦略・他党との交渉失敗で説明することで、「無責任」「腰が引けている」との批判をある程度先回りして抑えようとした可能性が高い。
さらに、野田氏が強調した「野党での政権構想を議論してから誰をトップにするかを決める」というプロセス論は、野党結集の条件を揃えておきたいという意図の表れだ。まだ支持基盤が流動的な中で、無理に名乗ってつぶれれば支持を失うリスクもある。
他方で、名乗り出なかったことを指摘されのびのびと答えざるを得なかったという部分もある。テレビという場での突発質問に対して、「プロセス重視」戦略を持ち出す答えは安全な選択とも見える。
女性タレントからの直球質問に直面した野田佳彦氏。過去の経験、他党との交渉、政局戦略を背景に、名乗り出なかった理由を説明せざるをえなかった。だが、野党結集をめぐる駆け引きのさなか、この発言は尾を引く可能性を持つ。
首相指名選挙をめぐる政治戦線は流動的だ。今後、野党3党(立憲・国民・維新)の協議のあり方、トップ候補の選定プロセス、そして支持を引きつける発信力が政局を左右するだろう。彼の言葉が、有権者や共闘相手からどう受け止められるかが、次の焦点だ。