2025-04-25 コメント投稿する ▼
群馬県、外国人材活躍企業を認証へ 「日本文化否定ではない」と県が説明
山本知事、外国人材活躍推進に注力
群馬県の山本一太知事は、県職員の国籍要件撤廃を前向きに検討するなど、外国人材の受け入れ促進に積極的な姿勢を見せている。この一環として、県内企業における外国人材の活躍を後押しする「群馬県多文化共創カンパニー認証制度」の令和7年度の募集を開始した。
この制度は、県が掲げる「多文化共生・共創推進条例」に基づき、外国人が働きやすい環境づくりを進める企業を認証するものだ。認証を受けた企業は、県の広報支援や表彰対象となる可能性があり、人材確保に向けた強力な後押しとなる。
認証対象と評価基準
今回の募集対象は、群馬県内に本社または事業所を持ち、外国人材を雇用している企業、法人、団体、個人事業主。認証の評価項目は次のとおりとなっている。
- 外国人材が新たな価値創造に貢献する業務に従事していること
- 能力開発の機会を積極的に提供していること
- 外国人材が日本人とともに役職に就き、活躍していること
- その他、外国人材の活躍促進につながる支援を実施していること
これらを総合的に判断し、特にロールモデルとなる企業を認証する仕組みだ。県は認証された企業の取り組みを広く発信し、県全体で外国人材活躍の機運を高めたい考えだ。
「日本文化否定」への懸念に県が回答
一方で、外国人材優遇策が「日本文化軽視」につながるのではないかという懸念も一部で上がっている。この点について、群馬県ぐんま暮らし・外国人活躍推進課は当編集部に対し、「群馬県では多文化共生・共創を推進しています。ただ、それは『日本文化を否定』するものではありません」と明確に回答した。
県は、共生とは多様な文化が互いに尊重し合いながら共に発展するものであり、日本文化の尊重と共存を前提にしていると強調。外国人材の活躍促進と、日本社会・文化の維持発展は両立可能だと訴えている。
背景にある労働力不足と県の課題
群馬県が外国人材活躍を推進する背景には、深刻な労働力不足がある。総務省統計局の資料によれば、群馬県の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の約127万人をピークに減少を続け、2020年には約106万人にまで落ち込んだ。産業界では人手確保が喫緊の課題となっており、特に製造業や農業、介護分野で外国人労働力への依存が強まっている。
こうした状況に対応するため、県は単なる労働力確保だけでなく、外国人材が県内経済に付加価値をもたらす存在となることを目指し、多文化共生政策に注力している。
- 群馬県が外国人材活躍企業の認証制度「多文化共創カンパニー」を拡充
- 対象は外国人材を雇用する県内企業・団体・個人事業主
- 認証は外国人材の能力開発や役職登用などを総合的に評価
- 「多文化共生」は日本文化の否定ではないと県が明言
- 背景には労働力不足と経済活性化への期待