2025-08-17 コメント投稿する ▼
石垣市長選5選の中山義隆氏 尖閣上陸調査を国に要求へ 住民避難計画にも言及
中山石垣市長、尖閣上陸調査に意欲
石垣市長選で5選を果たした中山義隆氏(58)は、当選直後の会見で「国に対し尖閣諸島への上陸許可を求め、国を動かしたい」と強調しました。市が継続している尖閣諸島周辺の海洋調査をさらに進める意向を示し、これまで以上に国への働きかけを強める考えを明らかにしました。
今回の市長選は、自民・公明の支援を受けた中山氏と、玉城デニー沖縄県知事の支援を受けた新人・砥板芳行氏の事実上の一騎打ちでした。選挙の行方は国の安全保障政策にも影響しかねないと注目されましたが、市民は中山氏による市政の継続を選択しました。
「国が動かないなら地方から声を上げるしかない」
「市民の安全保障を真剣に考えている姿勢は評価できる」
「市長が国防の先頭に立つのは異例だ」
「沖縄の現実を本土の人たちにも知ってほしい」
「外交問題化する恐れもあるのでは」
安全保障と地域の現実
尖閣諸島は石垣市に属し、中国公船の活動が続く中で、領海警備や安全保障上の課題が続いています。中山市長は「国が行動をためらっている現状を市として突破したい」と述べ、上陸調査を通じて領有権を具体的に示す必要性を訴えています。地方自治体の首長が国に対して積極的に安全保障関連の施策を提起するのは異例ですが、地域が直面する危機感の表れといえます。
また、中山市長は先島諸島における住民避難計画にも言及し、「万一の事態に備え、命を守る準備は不可欠だ」と強調しました。自衛隊や国との連携を含め、市民の安全確保に向けた実務的な取り組みを進める考えです。
低投票率と政治不信の影
一方で、市長選の投票率は63.00%と過去最低にとどまりました。中山氏は5期目の信任を得たものの、必ずしも圧倒的な支持とは言えず、市政への信頼回復が大きな課題として残ります。不信任決議を経ての出直し選挙で再選を果たした経緯からも、政治不信の影は色濃い状況です。
今後、中山市長が掲げる尖閣調査や住民避難計画の実現には、市民の理解と議会との協調が不可欠です。安全保障政策に直結するテーマを市政の最前線で担う姿勢は評価される一方、国との調整や外交上の影響をどう乗り越えるかが試されることになります。
地方から国を動かす挑戦
石垣市長として15年以上市政を担い、今回5期目に入った中山氏。尖閣諸島問題への積極的な関与は「地方から国を動かす」という姿勢の表れでもあります。中国公船の領海侵入や周辺国との緊張が続く中で、石垣市が示す行動は全国的にも注目されるでしょう。
しかし、地方自治体が独自に国の安全保障領域に踏み込むことには慎重論も根強く存在します。中山市長がどこまで国を動かし、市民の不安に応える施策を実現できるかは、今後4年間の大きな焦点となります。