2025-05-29 コメント投稿する ▼
石垣市長の「偏向教育」発言に抗議決議 中山市長の真意は“歴史教育の多様性”にあり
石垣市長の「偏向教育」発言に抗議も、中山氏の真意は教育の中立性確保
沖縄県石垣市の中山義隆市長が、かつて自らが受けた教育を「偏向に近かった」と語ったことをめぐり、退職教員らから反発の声が上がっている。一方で、中山市長の発言には「地域の未来を考えたうえでの真剣な問いかけだ」と評価する声もあり、沖縄の教育の在り方に改めて関心が集まっている。
教育の“偏り”に警鐘鳴らした中山市長
問題視されたのは、中山市長が定例記者会見の場で、沖縄における教育について「僕らは沖縄で偏向に近い教育を受けてきた」と語ったことだ。発言の背景には、国会議員による沖縄戦に関する認識のズレや、日の丸や君が代への対応に違和感を覚えてきた個人的体験があるという。
さらに「集団自決」に関しても、「日本軍の関与は否定しないが、すべてが強制だったとは限らない。『死にたいから手榴弾を』と頼んだ人もいたのでは」と述べ、多様な証言に目を向ける姿勢を示した。
退職教員会が抗議決議、「平和教育否定」と反発
これに対し、沖縄県退職教職員会八重山支部は「教育基本法の理念に反する」として、発言の撤回を求める緊急特別決議を発表。同会では「戦争の実相を歪め、平和教育の成果を否定するもの」と批判が相次いだ。
ただし、こうした反応に対して、「反対意見があったからといって発言を抑えるのは、言論の自由に逆行するのではないか」という声も根強い。
ネットでは支持の声も多数、「勇気ある発言」
SNS上では中山市長を擁護する声も多く見られる。
「沖縄での教育がある種の思想に偏っていたのは事実。市長の発言はその現実を語っただけ」
「現場で起きたことを全部『強制』とするのは、逆に歴史を単純化している」
「勇気を持って発言してくれた市長に拍手。教育の自由が守られてこそ多様な価値観が育つ」
「君が代や日の丸を否定するような空気があったのは確か。あれを子どもに教えるのは正しかったのか」
「沖縄の教育について、ようやく首長が声を上げてくれた。これは本当に大きいこと」
教育現場に求められる“多様性”と“事実に基づく歴史”
市長の発言は単なる批判ではなく、「未来の教育がどうあるべきか」を問うものだと見る向きもある。事実に基づいた歴史理解と、子どもたちに多角的な視点を持たせる教育こそが、本当の意味での平和教育ではないかという問題提起とも受け取れる。
一方、戦争体験者や教職員の間には「平和教育を否定された」との痛みも残る。だからこそ、中山市長の発言が生んだ議論は、単なる賛否ではなく、沖縄全体で“何を次世代に伝えるか”を考える貴重な契機として活かすべきだ。