2025-04-27 コメント投稿する ▼
石垣市防災フェア2025 自衛隊と米軍も初参加 地域防災に不可欠な多様な力を結集
石垣市民防災フェア 米軍・自衛隊も参加“みんなで守る街”の力を実感
石垣市役所で4月27日に開かれた「みんなで学ぼう石垣市民防災フェア」は、今年も大盛況だった。今回は初めて米軍がブースを出展し、自衛隊や警察、消防、気象台と並んで防災をテーマに多彩な展示を行った。家族連れを中心に多くの市民が訪れ、会場は終日活気に包まれた。
防災はみんなの力で 自衛隊・米軍の存在感も
石垣市では、江戸時代の「明和の大津波」で甚大な被害を受けた歴史から、毎年4月24日を「市民防災の日」と定め、意識の向上に取り組んでいる。
役所や民間団体の活動はもちろん大切だが、大規模災害時には、自衛隊や米軍の支援力が頼みの綱となる。
土砂崩れで寸断された道路を切り開き、孤立した地域に物資を届ける。被災者を救助し、避難所の立ち上げを支援する。こうした活動は、彼らの訓練と装備があってこそ可能だ。
地域の防災には、日ごろから顔の見える関係づくりが重要だ。「もしも」の時、すぐに連携できるよう、こうしたフェアでの交流の機会は欠かせない。
初参加の米軍 市民と笑顔で交流
米軍は今回、約30人のスタッフを派遣。災害時に威力を発揮する大型浄水器(海水68リットル、淡水83リットルを1時間で真水に変換可能)を展示した。
軍用犬やドローンの実演、救命セット、3Dプリンターなども紹介し、来場者は興味津々。さらに、ホットドッグ1000個を無料配布するという粋な計らいもあり、昼時には長い列ができた。
子どもたちはもちろん、大人たちも米軍ブースに立ち寄り、和やかな交流の輪が広がった。
自衛隊は圧倒的な装備と対応力を披露
石垣駐屯地などから参加した自衛隊は、重機や大型トラック、人命救助システム、渡河用ボート、偵察バイク、小型車両、救急車などを展示。
中でも、災害時の炊き出しを再現したカレーの提供(1000食分)は恒例の人気企画となり、炊事テントには笑顔があふれた。
子どもたちは自衛隊車両に乗ったり、防災機材に触れたりと、貴重な体験を楽しんでいた。
世代を超えて伝える防災意識
気象台は津波発生装置や地震動、液状化現象の模型を使って、わかりやすく解説した。
参加した小学生の大城詩さん(12)は、「サンゴ礁が津波を防ぐって初めて知った。説明がすごくわかりやすかった」と目を輝かせた。
石垣市では、防災意識を次世代に引き継ぐことも重視している。「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、日ごろから学び、体験することが、いざという時に命を守る力になる。
防災に必要なのは、"多様な力"と"つながり"
今回の防災フェアは、役所や民間だけでなく、自衛隊や米軍といった多様な力が地域防災に不可欠であることを改めて感じさせた。
石垣市が築いてきた「みんなで守る街づくり」は、他の自治体にとっても大きなヒントになるだろう。
自然災害はいつ起こるかわからない。しかし、今日のような小さな交流と準備が、未来の大きな安心につながる。