2025-04-25 コメント投稿する ▼
掃海艇「くろしま」石垣港に再び寄港 27日に一般公開、装備や任務を市民に紹介
掃海艇「くろしま」再び石垣へ
海上自衛隊の掃海艇「くろしま」(第46掃海隊・沖縄所属)が、4月26日に沖縄県石垣市の石垣港へ寄港する。午前8時ごろに第1岸壁に接岸し、28日午前まで停泊の予定だ。昨年5月に続く2年連続の寄港で、今回は市民向けの一般公開が主な目的となっている。
掃海艇「くろしま」は、海中に仕掛けられた機雷を除去したり設置したりする特殊任務を担う艦艇だ。木製の船体と磁気に配慮した設計が特徴で、専用の処分装置や潜水器材、機関砲も搭載されている。
市民との交流 27日に一般公開
一般公開は4月27日に実施される。午前9時から正午、午後1時から4時までの2部構成で、事前予約は不要。市民や観光客など、誰でも見学できる。
当日は、機雷処分を担う潜水員の装備や、火災時に使用する防火器材、掃海任務に使われる機材などが展示され、隊員の案内で艦内を見学できるよう準備が進められている。普段はなかなか触れる機会の少ない自衛隊の装備や任務の一端を知る貴重な機会となる。
防衛ラインの要所としての石垣
掃海艇の寄港は単なる展示だけではない。防衛省が石垣を重視している背景には、台湾との距離が近く、地政学的にも重要な拠点であることがある。
中国が近年、台湾周辺での軍事演習を活発化させる中、日本の南西諸島もその影響を受けている。掃海艇は、台湾〜宮古〜石垣〜沖縄本島といった島々を結ぶシーレーン(海上交通路)の安全確保に不可欠な存在であり、機雷掃海によって有事の際の航行ルートを守る重要な任務を負っている。
防衛省関係者の間では、今回の寄港は「地域住民との交流を兼ねつつ、中国への抑止効果を狙った展開」と見る声もある。
石垣港、日米の軍事利用が増加
今年に入り、石垣港にはすでに海上自衛隊の訓練支援艦「くろべ」、護衛艦「じんつう」、「おおなみ」が寄港しており、「くろしま」は4隻目となる。さらに、米海軍の輸送揚陸艦「サンディエゴ」も寄港しており、日米の艦艇が石垣港を利用する頻度は増している。
昨年には石垣港が「特定利用港湾」に指定され、自衛隊の平時からの使用が制度的にも整えられた。今後、訓練や補給だけでなく、有事対応の拠点としての役割がさらに強化される見通しだ。
- 掃海艇「くろしま」が4月26日~28日、石垣港に寄港
- 27日は一般公開。予約不要で誰でも見学可能
- 機雷除去などを担う艦艇。南西諸島の防衛ラインにおいて重要な役割
- 今年に入り石垣港への自衛艦寄港は4隻目。米海軍の寄港もあり、利用頻度が上昇