名古屋・広沢市長、南京との交流再開に意欲 歴史認識は「諸説ある」と政府見解踏襲

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名古屋・広沢市長、南京との交流再開に意欲 歴史認識は「諸説ある」と政府見解踏襲

広沢市長、南京との交流再開に意欲 「敏感な問題には触れない」


名古屋市の広沢一郎市長は4日の記者会見で、姉妹友好都市である中国・南京市との交流再開に向けた強い意欲を示した。両市の交流は、平成24年に当時の河村たかし市長が「いわゆる南京事件はなかったのではないか」と発言したことを契機に中断されており、12年余り途絶えたままだ。

広沢市長は「早期に交流が再開されることが望ましい。途絶えているのは非常に不幸なことだ」と述べ、8月末に南京市を訪問する日中友好議員連盟関係者に親書を託す考えを明らかにした。親書の内容は今後検討するとし、「敏感な問題は触れないのが妥当」と強調した。

諸説ある南京事件 政府見解を踏襲


広沢氏は南京事件に関する自身の見解を問われ、「国と同じく、いろいろな意見があるというのに尽きる」と回答。政府の公式立場を踏襲するとし、「大虐殺とされる説から、何もなかったとする説まで諸説ある。どれが正しいかは決められない」と述べた。

日本の外務省は、ホームページで「日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できない」と記す一方、被害者数については「諸説あり、政府として正確な数を認定することは困難」としている。この立場は、防衛庁防衛研修所戦史室(当時)が昭和50年に出版した戦史叢書『支那事変陸軍作戦』第一巻の記述を根拠としており、林芳正外相(当時)が令和5年4月の国会答弁で明らかにした。

また、自民党の和田政宗前参院議員は、同書の内容について「日本軍が意図的に住民を殺害したという文脈ではない」と指摘している。

交流中断の経緯と河村氏発言


交流中断のきっかけは、平成24年2月、名古屋市を訪問した南京市の共産党幹部に河村氏が語った一言だった。河村氏は、終戦を南京で迎えた父親が現地の人々からもてなしを受けたことを感謝しつつ、「通常の戦闘行為はあったが、南京事件はなかったのではないか」と述べた。

この発言に対し、中国外務省は「歴史の歪曲」と強く反発し、両市の当局間交流は停止。河村氏はその後、市議会で「30万人に及ぶ市民を大虐殺したという南京事件はなかった」と改めて説明したが、関係改善には至らなかった。

市民の声 歴史認識と交流の狭間で


今回の広沢市長の発言に、市民からはさまざまな意見が寄せられている。

「歴史認識をあいまいにして交流だけ再開するのは危うい」
「敏感なテーマには触れないというのは現実的だと思う」
「交流が途絶えているのは残念だが、事実関係をはっきりさせるのが先では」
「市民交流を優先して、歴史論争は国レベルで決着させればいい」
「国益や地域経済のためにも、政治的対立を避ける選択は理解できる」


交流再開に向けた課題


広沢市長は、友好都市制度の意義について「市民同士の交流を通じて世界平和を目指す」と語った。しかし、長年続いた交流停止を解消するためには、両市の信頼関係の再構築が不可欠だ。歴史認識をめぐる対立が再燃すれば、再び交流が頓挫する可能性もある。

日本側は、政治問題と市民交流を分離し、経済・文化分野での協力を進める戦略が求められる。一方で、歴史的事実については、政府が一貫した立場を持ち、市民に分かりやすく説明することが、誤解や摩擦を減らす鍵となる。

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2025-08-04 17:52:26(うみ)

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