2025-04-18 コメント投稿する ▼
「台湾は日本の運命共同体」──台湾外相、百田代表との会談で日本版「台湾関係法」に謝意
「運命共同体」日台、信頼深める一歩 台湾外相が百田氏と会談
台湾の林佳龍(リン・ジャーロン)外交部長(外相に相当)は18日、台北市で日本保守党の百田尚樹代表と会談し、同党が掲げる日本版「台湾関係法」の制定方針に対し、感謝の意を表明した。台湾外交部は翌19日、会談内容を公表した。
林氏は、米国の「台湾関係法」に準じた日本独自の法整備が、台湾との関係を一段と安定させるものだと評価し、今後の両国協力の枠組みに期待をにじませた。
台湾からの“ありがとう”
林氏は冒頭、「台湾と日本の関係をより強固にしようとする貴党の姿勢に深く感謝する」と語り、特に台湾との協力を明文化する法整備への前向きな動きを歓迎した。日台間では現在、正式な外交関係がないが、経済・技術・文化など幅広い分野での交流が活発化しており、これらを後押しする法的枠組みの必要性が台湾側からも強く意識されている。
「台湾は運命共同体」百田代表、対中抑止も強調
百田代表は会談の中で「台湾は日本にとって、かけがえのないパートナーであり、運命共同体とも言える存在だ」と述べ、中国を念頭に「自由や民主主義といった価値観を共有する国々が連携して、強権主義に対抗していくことが必要」と語った。
さらに、日本保守党として台湾政府や企業、学術・文化界との幅広い交流を進める考えを伝えた。
技術と安全保障での協力も視野
林氏は、水素エネルギーやドローン技術といった先端分野における日台の協力強化にも触れた。台湾は再生可能エネルギー政策を加速しており、エネルギーの安定確保や災害対応の観点からも、日本との連携には大きな期待を寄せている。
また、ドローンについては、防衛やインフラ管理、農業などさまざまな用途が見込まれ、日台で技術開発や実証実験を進めていく可能性も語られた。
日本保守党の狙いと「台湾関係法」構想
百田氏が代表を務める日本保守党は、2023年10月に結党された新興政党。台湾政策は党の重要テーマの一つで、アメリカの「台湾関係法」にならい、日本でも台湾との非公式ながら実質的な同盟関係を支える法律の制定をめざしている。
具体的には、台湾との安全保障協力、経済支援、人的交流の基盤を法的に整えることで、より安定的で透明性のある関係を構築することが狙いだ。
今後の課題は「法制化」と日中関係のバランス
ただし、日本版「台湾関係法」の実現には課題も多い。政府与党や他党との調整はもちろん、中国との外交関係に与える影響も慎重に見極める必要がある。
日本政府はこれまで、「台湾は中国の一部である」とする中国の立場に配慮し、公式な外交関係を結ばない「一つの中国」政策を維持してきた。新たな法制度を設ける場合、それが現行方針とどう整合するのか、国内外での議論が不可欠だ。
- 台湾の林外交部長が、日本保守党の台湾政策に謝意を表明
- 百田代表は「台湾は運命共同体」と強調し、日台連携の重要性を訴えた
- 日台の技術協力分野として、水素エネルギーやドローンに注目
- 日本保守党は、台湾との実質的同盟関係を支える「台湾関係法」制定をめざす
- 法制化には、国内政治の調整や中国への配慮といった課題も残る
今後、日台の距離をどう縮め、具体的な法整備に結びつけるか。日本の対中外交とのバランスを含めた「台湾政策」の舵取りが問われている。