2026-03-04 コメント投稿する ▼
小池都知事が核のごみ問題で言及、しかし原発政策そのものの見直しが必要
原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定をめぐり、経済産業省が東京都小笠原村の南鳥島での文献調査を同村に申し入れたことに関し、小池百合子都知事は2026年3月4日、「最終処分場の課題というのは将来世代への先送りができない喫緊の課題だ」との認識を示しました。しかし、この問題は単に処分場を決めれば解決するものではなく、原発政策そのものを見直すべきとの声が高まっています。
将来世代への先送りはできない
小池百合子都知事は4日、都庁内で記者団の取材に答えました。核のごみの最終処分場について、「最終処分場の課題というのは将来世代への先送りができない喫緊の課題だ」との認識を示しました。
小笠原村の渋谷正昭村長は、村民や村議会の意見を踏まえて、調査受け入れの可否を判断する方針です。小池知事は「(村の)判断を注視していきたい」との見解を改めて示した上で、「原子力行政は国が当たるべきものだ。一方で、日本全体で考えていく必要がある」とも語りました。
「核のごみ問題は確かに深刻だが、処分場を作ることが本当の解決なのか」
「原発を動かし続ける限り、核のごみは増え続ける。根本的な解決にならない」
経産省が南鳥島での調査を申し入れ
赤沢亮正経済産業相は2026年3月3日の閣議後記者会見で、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定をめぐり、東京都小笠原村南鳥島での文献調査実施に向け、同日午後にも同村へ申し入れを行うと明らかにしました。
経産省幹部が3日午後、小笠原村役場を訪れ、渋谷正昭村長に文書を手渡しました。赤沢経産相は「南鳥島は、最終処分場の建設候補となり得る地域を示した科学的特性マップで好ましい特性が確認できる地域とされている」と述べました。申し入れ後は村民向けの説明会を早期に開催する考えも示しました。
文献調査は処分地選定の第1段階に当たり、文献やデータなどから適切な地層かどうかを調べるものです。これまで北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町で行われており、調査が始まれば全国4例目となります。
「南鳥島なら人がいないからいいという発想自体が問題だ」
原発政策そのものの見直しが必要
核のごみの最終処分場問題は、確かに喫緊の課題です。しかし、この問題の根本的な原因は、原発を稼働し続けていることにあります。最終処分場を作ったとしても、原発を動かし続ける限り、核のごみは増え続けます。
現在、日本では原発の再稼働が広がっています。しかし、福島第一原発事故の教訓を忘れてはなりません。原発事故が起これば、取り返しのつかない被害が生じます。また、使用済み核燃料の処理方法も確立されていません。
原発に頼らないエネルギー政策への転換こそが、真の解決策です。再生可能エネルギーの導入を加速し、省エネルギーを推進することで、原発なしでも電力を賄える社会を目指すべきです。
南鳥島の特殊性
南鳥島は東京都心から南東約2000キロ離れた日本最東端の島です。小笠原村で最も人口が少なく、全域が国有地で民間人は居住していません。
これまでの北海道や佐賀県の3町村と異なり、南鳥島は無人島であることが大きな特徴です。経産省は、地上施設を設置できる未利用地があることなどを説明しています。
第1段階の文献調査は、資料や過去の文献などを調べるだけで、現場は対象外です。調査に応じると、村に最大20億円の交付金が出ます。第2段階の概要調査に進んだ自治体はなく、周辺海洋や環境への懸念なども想定されるため、村民が調査を受け入れるかどうかは分かりません。
「交付金で村を釣るようなやり方は卑怯だ」
国民的議論が必要
核のごみの最終処分場問題は、一部の地域だけの問題ではありません。小池知事が指摘したように、「日本全体で考えていく必要がある」問題です。
しかし、本当に考えるべきは、原発政策そのものの是非です。原発を稼働し続ける限り、核のごみは増え続け、処分場問題も解決しません。福島第一原発事故から15年が経過した今、改めて原発に頼らない社会を目指すべきです。
再生可能エネルギーの技術は日々進歩しています。太陽光、風力、水力、地熱など、多様なエネルギー源を組み合わせることで、原発なしでも安定した電力供給が可能です。省エネルギー技術の発展も目覚ましく、電力需要そのものを減らすことも可能です。
将来世代に核のごみを押し付けるのではなく、クリーンなエネルギーで持続可能な社会を残すことが、私たちの責任ではないでしょうか。核のごみの最終処分場問題を契機に、原発政策の抜本的な見直しを求める国民的議論が必要です。