2025-11-07 コメント投稿する ▼
小池都知事、中東4か国歴訪で東京PR 年度内4回目の海外出張に批判も
東京都の小池百合子知事は2025年11月7日の記者会見で、10月25日から11月3日まで実施したエジプトなど中東4か国歴訪について「東京の存在感を世界に位置付けるのが大きな役割」などと成果を強調しました。
東京都の小池百合子知事は2025年11月7日の記者会見で、10月25日から11月3日まで実施したエジプトなど中東4か国歴訪について「東京の存在感を世界に位置付けるのが大きな役割」などと成果を強調しました。しかし、年度内4回目となる海外出張の頻度について「多いのでは」との指摘も出ており、都政運営への影響を懸念する声も上がっています。
小池氏は今回、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、クウェート、エジプトを9日間の日程で訪問しました。UAEのドバイ政府とは産業分野などでの交流・協力に関する合意書を締結し、エジプトではマドブーリ首相と面会したほか、日本が842億円を支援した大エジプト博物館の開館式典にも出席しました。
記者会見で小池氏は「これからも東京のスタートアップや ビジネスについて世界に売り込み、都市の強靭化についても連携を深めたい」と意欲を示しました。
年度内4回目の海外出張に都議会でも批判
小池知事の海外出張は4月のフランス、5月のサウジアラビア、7月の米国に続き、2025年度で4回目となりました。これまでの出張費用は累計で数千万円規模に上るとみられ、都議会では「知事の海外出張が多すぎる」との批判の声も出ています。
特に今回の中東歴訪では「キャプテン翼」の作者・高橋陽一氏が同行するなど、文化交流を重視した内容でしたが、その効果を疑問視する意見もあります。都の財政が厳しい中での頻繁な海外出張に対し、都民の税金の使い道として適切かとの指摘も相次いでいます。
小池氏はこれまでの記者会見で「ありがたいことに大変多くの都市や国から招待を受けている。東京のPRにつながっていく」と反論し、「そこで東京をPRするというのは非常に価値があると思う」と主張しています。
「また海外出張か、都政はどうなってるんだ」
「税金の無駄遣いだと思う」
「本当に東京のためになってるの?」
「もっと都内の課題に集中してほしい」
「パフォーマンスばっかりじゃないか」
大エジプト博物館開館で日エジプト関係をアピール
今回の歴訪のハイライトは、エジプトの大エジプト博物館開館式典への出席でした。同博物館は2005年から建設が始まり、日本政府が約842億円の円借款を供与して完成した世界最大規模の古代エジプト文明博物館です。
開館式典にはエジプトのシシ大統領をはじめ各国首脳らが出席し、日本からは三笠宮家の彬子さまも参加されました。ツタンカーメン王の財宝約5,000点が発見以来初めて一般公開されるなど、観光立国エジプトの新たなシンボルとなっています。
小池氏はカイロと東京都の友好都市関係35周年を記念したこの訪問について「日本とエジプトの絆を深める重要な機会」と位置づけました。しかし一部では、小池氏のカイロ大学卒業を巡る学歴詐称疑惑との関連を指摘する声もあり、エジプトとの関係強化が疑惑隠しではないかとの憶測も呼んでいます。
サウジで高市首相の女性活躍推進をアピール
サウジアラビアの首都リヤドで開催された国際投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」では、高市早苗首相に言及し「高市氏とともに女性活躍をさらに推進し、日本経済を新たな高みへと押し上げていく」と述べました。
日本初の女性首相誕生を受けて、小池氏も女性リーダーとしての存在感をアピールした形です。講演では東京都が近く発行する防災・減災向けのレジリエンスボンドについても触れ、「強固で持続可能な社会の構築を金融面で支援する」と国際的な投資家にアピールしました。
また、規制改革やスタートアップ支援の取り組みも紹介し、東京を「アジアにおけるイノベーションと金融の主要拠点」として売り込みました。
小池百合子氏は1952年兵庫県芦屋市生まれで、カイロ大学文学部卒業後、アラビア語通訳や報道番組キャスターを経て政界入りしました。2016年から東京都知事を務め、現在3期目。2021年の東京オリンピック・パラリンピック開催時の都知事として国際的な知名度も高く、今回の中東歴訪でもその人脈を活用した外交を展開しました。
今後も小池知事の積極的な海外展開が続くとみられますが、都政への専念を求める声との間でバランスを取ることが課題となりそうです。都議会では来年度予算審議の際に、知事の海外出張費用や効果について改めて議論が交わされる見込みです。