2025-05-28 コメント投稿する ▼
年金改革法案に批判続出 修正案でも給付減少、国民の不安広がる構造的問題
年金改革法案に疑問の声 修正案でも給付減は避けられず
衆議院厚生労働委員会で5月28日、年金制度の抜本改革を巡り、与野党間での議論が紛糾した。日本共産党の田村貴昭議員は、政府が進める年金改革法案と、それに対する自民・公明・立憲民主の修正案の双方に対して、「年金受給額が下がることは避けられない」と強く批判した。
今回の年金改革法案では、物価や賃金の伸び率よりも年金支給額を抑える仕組み、いわゆる「マクロ経済スライド」が維持される。この制度は2004年から導入されており、高齢化による財政圧迫を緩和するための措置とされているが、実際には受給者の生活を圧迫し続けている。
低所得者により重くのしかかる制度のひずみ
田村議員は特に、基礎年金部分の調整期間が厚生年金より10年以上長くなる傾向がある点に言及。これにより、基礎年金への依存度が高い非正規労働者や低所得者層は、より大きな影響を受けると指摘した。つまり、年金制度そのものが格差を広げる構造を抱えているというわけだ。
しかも、今回与党と立民の間で合意された修正案でも、マクロ経済スライドは温存されたままだ。修正案では、厚生年金の積立金を活用し、将来的に基礎年金の調整期間を短縮する方針が掲げられているが、それは5年後の制度改正での「検討」にとどまる。
修正案も“焼け石に水”か 年金の実質減額は確実
田村議員は、政府案では年金額が約3割も減るとされている一方、修正案でも約1割の減少になるとの答弁を引き出した。「修正案があっても、実質的な年金カットに変わりはない」とし、年金受給者にとって実効性のある対策には程遠いと述べた。
さらに、修正案で「影響を緩和する」とされている内容についても具体性がなく、何人が対象となるかさえ答弁されなかった。田村議員は「これでは国民の安心にはつながらない」と、制度設計の曖昧さを厳しく批判した。
年金受給者と若年層の不安が噴出 SNSでも不満の声
SNSでは年金改革法案に対して批判の声が広がっている。とくに将来への不安を抱える若者や、現役の年金生活者からの声が多く見られる。
「修正案って言っても結局減るなら意味ないでしょ」
「低所得者ほど打撃が大きいのに対策が“今後検討”ってふざけてる」
「こんな制度続けてたら、将来の年金なんて信じられない」
「3割カットが1割になったからって安心できる話じゃない」
「年金改革するなら、受給者目線で制度作ってほしい」
今後の制度見直しに問われる政治の責任
今回の委員会審議を通じて、マクロ経済スライドの問題点や、修正案の曖昧さが改めて浮き彫りになった。高齢者の暮らしを守るための制度が、むしろ生活を圧迫する要因になっている現状に対し、抜本的な見直しが求められている。
与党と一部野党が合意した“妥協案”は、見かけの修正にすぎず、根本的な解決策にはなっていない。年金制度の持続可能性を議論するのであれば、単なる数字合わせではなく、生活実態に即した丁寧な制度設計が必要だ。