2025-04-25 コメント投稿する ▼
食料主権を守れ 共産党議員団が農水相に米国要求拒否を要請
食料主権を守れ 共産党議員団が農水相に要請
日本共産党の国会議員団は25日、農林水産省を訪れ、江藤拓農林水産相に対して、トランプ米大統領による農産物追加関税や、日本への農産物輸出拡大要求を断固拒否するよう強く求めた。農産物の輸入自由化に歯止めをかけ、食料自給率の向上と食料安全保障を確立する必要があると訴えた。
米国の不当な圧力に抗議 「主食を差し出すな」
申し入れには、紙智子、山下芳生、吉良よし子の各参院議員、田村貴昭、堀川あきこの両衆院議員が参加した。田村議員は「米国の顔色をうかがい、農産物輸入拡大を貢ぎ物として差し出すことは絶対にしてはならない」と強調。山下議員も、「トランプ関税の撤回を求める声は世界中にある。国際的に連携し、毅然と対応すべきだ」と指摘した。
紙議員は「一方的な関税引き上げは、WTO協定違反であり、国際ルールにも反する。日本政府は米国に強く抗議すべきだ」と述べた。
ミニマム・アクセス米拡大に警鐘
議員団は、政府が交渉材料にしているとされる「ミニマム・アクセス米」の主食用枠拡大についても強く警告した。ミニマム・アクセス米とは、WTO加盟国に義務付けられた輸入義務量のことで、日本は年間77万トンの輸入枠を設定しているが、そのほとんどが加工・業務用にとどまっている。
しかし、これを「主食用」として輸入量を拡大すれば、国内米市場に大打撃を与える恐れがある。申し入れ書では、「唯一自給できているコメを米国に売り渡す道を開くことになる」と警鐘を鳴らした。
輸入自由化から脱却を 食料自給率向上へ提言
議員団は、以下の具体策を政府に求めた。
- コメ、牛肉・豚肉、ジャガイモ、乳製品、トウモロコシなど農産物のさらなる輸入自由化を交渉材料にしないこと
- トランプ関税による農林水産業への打撃に対し緊急支援策を講じること
- 国産米の需給調整と価格安定に責任を持つ政策への転換
- 農産物の国内生産を拡大し、食料自給率を50%まで引き上げること
現在、日本の食料自給率(カロリーベース)は約38%にとどまっており、OECD加盟国の中でも極めて低い水準にある。議員団は、国民の食を海外依存から脱却させ、持続可能な農業基盤を再構築する必要性を訴えた。
農水相も「一方的要求は容認できず」と応答
これに対し江藤農水相は、「米国の一方的な要求を取り下げてもらいたい」と述べ、一定の理解を示した。しかし、現時点でミニマム・アクセス米の主食用拡大に関して政府として明確な方針転換は表明されておらず、議員団は今後も監視と働きかけを続ける構えだ。
国際交渉の中で自国の農業と食料主権をどう守るか、日本政府の対応が厳しく問われている。
- 日本共産党議員団が江藤農水相に米国の無法要求拒否を要請
- トランプ関税の撤回を国際連携で迫るべきと指摘
- ミニマム・アクセス米の主食用拡大に警鐘
- 食料自給率50%目標と輸入自由化脱却を提案
- 農水相は「米国の一方的要求は認められない」と応答