「教員に残業代を」給特法改定案に抗議の声 現場からは“根本的解決にならない”と批判

2025-04-18 コメント投稿する

「教員に残業代を」給特法改定案に抗議の声 現場からは“根本的解決にならない”と批判

「教員に残業代を」国会前で声上げる 給特法改定案に広がる懸念と怒り


教員の長時間労働に歯止めがかからない中、その働き方を根本から見直す契機となるはずの法案に、現場から怒りの声が上がっている。

18日、東京都・永田町の衆議院第2議員会館前には、全日本教職員組合(全教)の呼びかけで多くの教職員らが集結。「教員に残業代を支払え」「軍事費を削って教育に回せ」とシュプレヒコールが響いた。国会で審議中の教員給与特別措置法(いわゆる給特法)改定案に対し、「本質的な改善になっていない」との批判が広がっている。

現場の声:「調整額」でごまかさないで


給特法は、公立学校の教員に原則残業代を支給しないという特殊な仕組みを設けている。その代わりに月給の4%を「教職調整額」として上乗せする形を取っているが、実際の残業時間とはまったく比例していない。

政府が提出した改定案では、この教職調整額を2026年にかけて段階的に5%まで引き上げるという。しかし、残業代の支給制度そのものを導入するわけではなく、「焼け石に水」との声が多い。

全教の檀原毅也委員長はこの日、「長時間労働を解消するには、時間に応じた正当な賃金が必要だ」と訴え、「この法案では教育の質も、教員の未来も守れない」と力を込めた。

分断の不安も 新制度「主務教諭」


今回の改定案では「主務教諭」という新しい役職も導入される。特定の業務を担う教員に責任を集中させる制度だが、現場からは「教員の間に上下関係が持ち込まれ、協力体制に悪影響が出る」との懸念も上がっている。

埼玉県教職員組合からは「導入は分断の火種になる」との声が寄せられ、北海道高等学校教職員組合からも「若手の離職が相次いでいる中で、責任を押しつけるような制度を入れるべきではない」との報告があった。

「子どものために」声を上げる大人たち


集会には、全労連の石川敏明副議長や、国公労連の笠松鉄兵書記長も駆けつけた。石川氏は「子どもを育てる教員の働き方がこのままでは未来にツケを残す」と語り、笠松氏も「教員だけでなく、全ての公務職場で人員削減が進み、現場が持たない」と連帯を呼びかけた。

また、新日本婦人の会の池田亮子さんは「教員が疲弊すれば、その影響は子どもたちに跳ね返る」と指摘。日本共産党の田村貴昭衆院議員と吉良よし子参院議員も登壇し、吉良氏は「本気で長時間労働を是正したいのなら、教員を増やし、残業代を支払うべき」と訴えた。

今後の焦点は


法案は現在、国会での審議が進行中だが、現場からの批判は根強い。政府は「教職の専門性に見合った処遇改善」として制度改定を進めるが、現場の実感とは乖離が大きい。教員の働き方改革は、教育の未来を左右する大きな課題であるだけに、拙速な制度変更はさらなる混乱を招きかねない。


- 給特法改定案に反対する抗議行動が国会前で実施
- 「教職調整額」引き上げでは根本的な解決にならないとの声
- 新制度「主務教諭」による教員間の分断を懸念
- 労働団体・市民団体・野党議員も参加し、廃案を訴え
- 現場の働き方改革の実効性が、今後の国会審議の焦点に

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2025-04-19 11:11:22(藤田)

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