2025-04-02 コメント投稿する ▼
【訪問介護の危機】報酬引き下げで事業所減少、自治体の“空白”拡大
田村貴昭議員、報酬引き上げを強く要請
日本共産党の田村貴昭衆院議員は2日の衆院厚生労働委員会で、訪問介護報酬の引き下げが職員不足や事業所の閉鎖を招き、介護サービスの提供に深刻な影響を及ぼしていると指摘。介護報酬の引き上げを強く求めた。
地方自治体への影響と事例
長野県高山村では、唯一の訪問介護事業所が閉鎖され、近隣自治体の事業所がサービスを担う状況となっている。隣接する自治体のNPO法人関係者は、「事業所が一つ減っただけでも受け入れ人数は増え、限界が来ている」と述べ、介護サービスの提供体制が逼迫している現状を明らかにした。
政府の対応と現場の声
福岡資麿厚生労働相は、処遇改善加算を取りやすくする環境整備を進めてきたと述べたが、田村議員は処遇改善加算だけでは経営難の解決には至らないと強調。閉鎖された事業所の関係者からは、「国が報酬を下げたので、減収を補うため訪問回数を増やした」「加算は賃上げに使うもので、事業所経営は改善しない」との声が上がっている。
全国的な動きと自治体の対応
訪問介護報酬の引き下げ撤回を求める意見書を提出した自治体は、3月末までに285に上ることが明らかになった。都道府県レベルでは14県に達し、各地で介護基盤を守るための動きが広がっている。
介護現場の実態と今後の課題
2024年度の介護報酬改定により、訪問介護の基本報酬が全体的に引き下げられた。身体介護・生活援助ともに約2%の減額が実施され、事業所の経営や介護職員の処遇に影響を及ぼしている。この状況を受け、立憲民主党は8月23日に訪問介護の基本報酬引き下げの早急な見直し等を求め、厚生労働副大臣に申し入れを行った。
介護サービスの提供体制を維持・強化するためには、報酬の見直しや職員の処遇改善など、国としての積極的な対策が求められている。