2025-04-10 コメント投稿する ▼
規制委と業界の「意見交換会」に疑問の声 共産・辰巳氏が批判
“建て替え原発”めぐる意見交換会とは
政府は今年2月、廃炉が決まった原発を「次世代革新炉」に建て替える方針をエネルギー基本計画で打ち出した。これを受けて、電力会社や原子力メーカーなどで構成される「原子力エネルギー協議会(ATENA)」が、革新軽水炉の実用化に向けた規制の明確化を求め、規制委に意見交換を申し入れた。規制委はその要望に応じて、実務者レベルの意見交換会を設置した。
「革新炉」か「建て替え炉」か 言葉のすり替えも焦点に
辰巳氏はまず、ATENAが「革新軽水炉」と呼んでいる一方、規制委が「建て替え炉」と呼んでいることに注目し、「この呼び方の違いは何か意味があるのか」と問いかけた。規制委の山中伸介委員長は「技術的には既存の延長線上にあるため、新技術というほどではない」と説明し、基本的には現在の規制基準で対応可能との認識を示した。
“事前確認制度”の拡大が狙い? 懸念強まる
辰巳氏は「すでに既存の枠組みで審査できるなら、意見交換の場をわざわざ設ける必要はないはずだ」と指摘。さらにATENA側がこの機会を利用して、新技術の導入をスムーズに進める“事前確認制度”のような仕組みを拡張していくのではないかと懸念を表明。「このままでは規制側が業界の方に引き寄せられてしまう」と警鐘を鳴らし、「意見交換会は中止すべきだ。原発ゼロに向けた政策転換こそが本来の道だ」と訴えた。
“中立”保てるか 規制委の今後に注目
原子力規制委員会は過去にも、事業者側と定期的な意見交換を行ってきた経緯がある。だが、原発政策が再び推進方向に舵を切る中、規制機関が業界にどこまで寄り添うのか、中立性や透明性の確保がより一層求められている。
今回のやり取りは、「規制する側」と「される側」の関係性が問われる典型的なケースだ。規制委が今後どう舵を取るのか、国会だけでなく国民の目も注がれている。