2025-06-11 コメント投稿する ▼
本村伸子議員が選択的夫婦別姓制度の実現を要求 「他者の人権は侵害しない」と各党一致
選択的夫婦別姓制度の実現を求め本村伸子議員が追及 「他者の人権を侵害しない」と各党一致
6月11日、衆議院法務委員会で選択的夫婦別姓制度に関する質疑が行われ、日本共産党の本村伸子議員が各党の提出する民法改正案に対して鋭く追及した。本村氏は、「結婚しても生まれもった氏名で生きたいという願いは、ごく当たり前の人権要求だ」とし、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めた。
質疑では、本村氏が「選択的夫婦別姓制度が導入されることで、他者の人権を侵害するのか」と質問。これに対し、立憲民主党の米山隆一議員、国民民主党の円より子議員、日本維新の会の藤田文武議員のいずれも「人権を侵害することはない」と明確に否定した。
これは、選択制度の性格上、本人が希望すれば同姓も選べるため、他人の価値観を否定するものではないという認識で、各党とも一致している形だ。
「家族の呼称」と「個人の尊厳」は両立できるか
日本維新の会の藤田文武議員は、「氏名は家族のアイデンティティーとしての役割がある」とし、通称使用を法制化する案を維新案として提示。一方で、選択的夫婦別姓制度には「個人のアイデンティティー喪失を完全には解消できない」との課題もあると述べた。
これに対し本村氏は、「個人の尊厳と尊重が最も重要であり、それをないがしろにしてはならない」と反論。あくまで個人の意思を最優先すべきだという立場を貫いた。
「選択制度なのに、なぜいまだに反対する人がいるのか理解不能」
「姓を変えたくない人の自由も認められるべき」
「家族の一体感って、強制で得るものじゃない」
「通称使用では現実の不便が何も解消されない」
「法的に自由があるってだけで救われる人は多いと思う」
「家長制度」に逆戻り? 国民民主案への懸念
本村議員は、国民民主党案に記された「子は戸籍の筆頭に記載すべき者の氏を称する」という文言に疑問を呈した。同党・榛葉賀津也幹事長の「家のチームリーダーとして子どもはその姓を名乗るべき」との発言にも言及し、「家父長的な考えが制度に含まれているのではないか」と懸念を表明。
これに対して、円より子議員は「旧民法の戸主のような法的効果は全くない。誤解である」と答弁し、制度の中立性を強調した。
しかし本村氏は、こうした説明が現場で「家の姓=家長=従うべき対象」という発想を温存する恐れがあるとして、慎重な制度設計と国民への理解促進の必要性を訴えた。
制度の選択肢が“個人の生き方”を支える
本村氏が繰り返し主張したのは、「選択的夫婦別姓は誰かに強制する制度ではない」という点だ。希望する人のみが別姓を選べる仕組みであり、同姓を望む人の自由を脅かすものではない。むしろ「選べないこと」こそが人権の侵害であるとし、多様な生き方を保障する制度こそが、現代社会にふさわしいとした。
さらに本村氏は、通称使用が法的に十分な解決策とは言えず、銀行口座・契約書・国家資格などの変更で日常的に不便が生じている現状を指摘。「見かけだけの“多様性風”制度では現実を変えられない」と批判した。
選択的夫婦別姓をめぐる議論は、個人の尊厳と家族の形、法制度と文化意識の調和といった多層的な問題を内包している。だが本村議員の訴えが強調するように、制度の選択肢を広げることが、すべての人の自由と安心を守る一歩になるのは間違いない。