2025-04-23 コメント投稿する ▼
本村氏、共同親権導入に懸念 DV・虐待防止策の徹底を衆院法務委で要求
DV・虐待対策徹底を本村議員が要求 改定民法「共同親権」に懸念
日本共産党の本村伸子議員は23日、衆議院法務委員会で、改定民法により離婚後に父母の同意なしに「共同親権」が強制されることの危険性について訴えた。本村氏は、DV(ドメスティックバイオレンス)加害者による支配が離婚後も続き、被害者や子どもの命と安全が脅かされる懸念を指摘し、DV・虐待対策の徹底を強く求めた。
改定民法では、父母に対し人格尊重義務・協力義務が課され、義務違反の例として「無断転居」が挙げられている。しかし本村氏は、「DVや虐待の被害から逃れるために子どもと共に転居する行為まで義務違反と誤解されかねない」と問題提起。内閣府が示すDVの定義(身体的・精神的・性的暴力など)に基づき、暴力から逃れる行動は正当であり、妨げられるべきではないと訴えた。
政府も問題意識共有、資料改訂へ
これに対し、鈴木馨祐法務大臣は「暴力から避難する行動は人格尊重義務・協力義務違反には該当しない」と明言。加えて、「ご指摘いただいた観点を踏まえ、共同親権に関する関係府省庁連絡会議が作成するQ&A(解説資料)にも反映させる」と答弁した。
本村氏は、改定民法のパンフレットにDVの正しい理解が不足していると重ねて批判し、資料の早急な見直しを要求。政府側も問題意識を共有し、記述の明確化に取り組む姿勢を示した。
家庭裁判所におけるDV認定の重要性
さらに本村氏は、離婚後共同親権の運用において家庭裁判所の役割が極めて重要になると指摘した。特に、裁判官、調停委員、家裁調査官らのDVや虐待に関する知識と認識の徹底的な研修が不可欠だと強調。
「命、安全が脅かされることが絶対にあってはならない」と訴え、司法現場におけるDV認識の底上げを求めた。
リーガルアビューズ対策も求める
本村氏はまた、加害者が法的手段を利用して被害者を苦しめる「リーガルアビューズ(法的虐待)」の問題も取り上げた。実際に、DV被害者を支援する弁護士が加害者側から訴訟を起こされ、支援活動が妨害される例が相次いでいる。
本村氏は「このままでは被害者を助ける弁護士がいなくなってしまう」と危機感を示し、速やかな制度的対策を政府に強く要求した。
- 本村氏が離婚後共同親権によるDV支配継続の危険性を指摘。
- 政府側も、暴力からの避難行動は義務違反に当たらないと答弁。
- 家庭裁判所関係者の研修徹底を要求。
- 法的手段を悪用する「リーガルアビューズ」対策の早期実施を求める。
現在、改定民法は施行に向けた準備段階にあり、関連資料や運用指針の整備が進められている。法務省や関係府省庁は、本村氏らの指摘を踏まえ、被害者保護と子どもの安全確保に万全を期す方針だ。