2025-04-24 コメント投稿する ▼
不正告発者を守れ 公益通報者保護法改正案が衆院通過 本村氏「不当配転も対象に」訴え
公益通報者保護法改正案、衆院本会議で全会一致可決
2025年4月24日、公益通報者保護法の改正案が衆議院本会議で全会一致により可決された。今回の改正では、内部告発者に対する解雇や懲戒処分といった不利益な取り扱いに対して刑事罰を導入し、通報から1年以内の解雇や懲戒処分については、事業者側に立証責任を課すことが盛り込まれた。この改正は、内部告発者の保護を強化し、不正の是正を促進することを目的としている。
本村議員、不当配転も刑事罰の対象とするよう主張
同日の衆議院消費者問題特別委員会において、日本共産党の本村伸子議員は、内部告発者に対する不当な配置転換も刑事罰の対象とし、立証責任を事業者に転換すべきだと主張した。
本村氏は、公益通報者保護に取り組んできた中村雅人弁護士の「公益通報者保護法の裁判実務で一番多いのは配置転換や嫌がらせだ」との発言を紹介し、解雇や懲戒処分だけでなく、不当な配置転換も通報者への不利益な取り扱いとして法案に含めるよう求めた。
また、兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑を告発した元西播磨県民局長が自死した事件に言及し、同様の事件を防ぐためにも法改正が必要だと訴えた。
過去の事例から見る不当配転の問題
本村氏は、過去の事例として、闇カルテルを告発し30年間閑職に配置された元トナミ運輸社員の串岡弘昭氏のケースを挙げ、改正案ではこのようなケースに対応できないと指摘した。
また、厚生労働省が製薬会社の不適切な広報活動について内部通報を受け、是正措置をとった事例では、通報者がその後ほぼ仕事がない状態に置かれ、訴訟を起こしたが、「通報に対する報復だと認めるに足りる証拠はない」として訴えが退けられた。これらの事例からも、労働者側が不当配転の立証を行うことの難しさが浮き彫りになっている。
今後の課題と展望
本村氏は、労働者が配転の不当性を立証するのは非常に難しいとし、少なくとも立証責任の事業者への転換を裁判所の判断でできるよう、「Q&A」などのガイドラインを出すべきだと主張した。また、公益通報者保護法の施行後5年での見直しを附則に規定することを提案し、今後の法改正に向けた議論の必要性を訴えた。
- 公益通報者保護法改正案が衆院本会議で全会一致で可決された。
- 改正案では、内部告発者に対する解雇や懲戒処分に刑事罰を導入し、通報から1年以内の解雇や懲戒処分については、事業者側に立証責任を課すことが盛り込まれた。
- 日本共産党の本村伸子議員は、不当な配置転換も刑事罰の対象とし、立証責任を事業者に転換すべきだと主張した。
- 過去の事例から、労働者側が不当配転の立証を行うことの難しさが浮き彫りになっている。
- 本村氏は、公益通報者保護法の施行後5年での見直しを附則に規定することを提案し、今後の法改正に向けた議論の必要性を訴えた。