2025-05-10 コメント投稿する ▼
志位和夫氏が若者に語る『資本論』の魅力──変革と希望を未来へ繋ぐマルクス講義の全貌
志位和夫氏「資本論」を若者に語る新著出版 マルクスの思想に込めた“変革と希望”を未来へ
日本共産党委員長・志位和夫氏が、若者を対象に「資本論」の核心を語った講演を収録した新著『Q&A いま「資本論」がおもしろい―マルクスとともに現代と未来を科学する』(新日本出版社)を出版した。志位氏は本書の「はじめに」で、本著作が「変革と希望の書」であることを力強く訴え、若者とともにマルクスを読む意義を語っている。
若者の要請から生まれた講演書籍
本書は2025年5月10日に行われた「学生オンラインゼミ・第4弾」(民青同盟主催)の講演をベースにしており、志位氏が2年越しで準備を重ねた内容となっている。「資本論と現代」というテーマにどう向き合うか悩んだ末、志位氏は『資本論』の流れに沿って話す構成を選び、第一部に絞って要点を丁寧に解説した。
8つの問いから資本論の本質へ迫る
講演は「資本論とはどんな本か?」から始まり、「搾取の仕組み」「労働時間と自由」「貧困と格差の構造」「社会変革の展望」など、計8つのテーマに分けてQ&A形式で構成されている。初心者でも理解できるよう工夫されたこの構成は、知的ハードルが高いとされる『資本論』への入り口としても最適だ。
「『おもしろそうだ、読んでみよう』という気持ちになってもらうことが、講演の目的だった」と志位氏は記している。
“変革と希望の書”としての資本論
志位氏は『資本論』の本質を「単なる経済学の解説書ではなく、資本主義の矛盾を暴き、社会変革を呼びかける書」と位置づける。そこにこそ、現代にも通じる希望のメッセージが込められているという。未来社会の構想は青写真として外から押しつけるのではなく、資本主義社会の内部にある矛盾と可能性の分析を通じて描かれるべきだと志位氏は強調する。
「この社会は変えられる」という希望が、『資本論』にはある――その思想を若者に手渡したいという志位氏の思いが、本書全体に貫かれている。
共同作業としての「Q&A講演」
本書の特徴は、民青同盟の学生との「共同作業」で作られた点にもある。講演前にはミニ学習会を開き、学生と内容をすり合わせてからQ&A形式を作成。志位氏は「旺盛な知的探求心に心から感謝したい」と述べ、若い世代との協働に大きな意義を見出している。
“避けて通れぬ”マルクス再評価の時代に
志位氏は「現代資本主義の矛盾がいよいよ深まる中で、『資本論』はあらゆる立場の人が避けて通れない書物になっている」と述べる。格差、貧困、気候危機といった複雑な問題に直面するいまこそ、『資本論』に立ち返る意味があると訴えている。