2025-05-17 コメント投稿する ▼
志位和夫氏「外交こそ平和の現実解」ASEANに学ぶ対話文化と日本の進む道
志位議長、東アジアに「対話の文化」を根づかせる外交の道を強調
福岡市で5月17日に開かれたシンポジウム「東アジアでの平和の準備を in福岡」では、日本共産党の志位和夫議長が登壇し、外交を通じた信頼の構築こそが東アジアにおける持続的な平和への道であると力強く語った。会場では、弁護士や研究者らの意見と交差しながら、軍事一辺倒の発想に警鐘を鳴らし、「戦争に備える」のではなく、「平和をつくる」ための具体的な取り組みを提言した。
ASEANの「対話の習慣」に学ぶべき
志位議長は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の成功事例を取り上げ、「年間1500回を超える対話の積み重ねが、戦争を未然に防いでいる」と述べた。ASEANが東南アジア友好協力条約(TAC)を土台に対話を日常化している点に注目し、北東アジアでもこのような対話の文化を築くことが急務だと指摘した。
また、日中関係においては2008年の日中共同声明を引用し、「互いに脅威とならないという合意が存在する以上、それを踏まえた外交こそが現実的な解決策である」と強調。尖閣諸島をはじめとした懸案も、軍事力ではなく協議と交渉によって解決すべきだとの立場を鮮明にした。
「戦争準備」は現実味に欠ける 外交こそリアルな選択
南西諸島を中心とした自衛隊の増強や、日米共同訓練による全国規模の「基地防護」演習についても、志位氏は「日本全体が戦場になるような事態を想定して国民にシェルターを掘れというのか」と疑問を投げかけた。戦争準備を当然とする発想には「リアリティーがない」と断じ、むしろ外交こそが現実的な選択肢だと力説した。
北朝鮮問題の解決は「段階的信頼構築」にあり
北朝鮮の核・ミサイル開発については、「国連決議に反する行為には断固として抗議する」としながらも、米韓による軍事演習も緊張を高める要因だと冷静に分析。「朝鮮半島の非核化と地域の平和体制の構築を一体的に進めるべきだ」と述べ、段階的な措置によって互いの不信感を和らげていくことが唯一の現実的解決策であると語った。
さらに、日本政府に対しては、2002年の日朝平壌宣言を基に、核・ミサイル・拉致・植民地支配の問題を包括的に話し合う外交を進めるべきだと提案。「日本は朝鮮戦争の直接当事国ではないが、戦後処理の未完了という立場から積極的に関与する責任がある」との見解を示した。
中立と独立こそが日本外交の原点に
志位氏は、ASEANが米中どちらの側にもつかない「中立的」姿勢を堅持している点にも注目し、「日本も米中どちらかに盲従するのではなく、独立した平和外交を進めるべき」と強調した。特に、ASEANが国連憲章や国際法に基づく秩序を重視してきたことに言及し、「力ではなくルールで平和をつくる姿勢に学ぶべきだ」と語った。
シンポジウムの最後には、志位議長が「21世紀の国際秩序はもはや一国の意志で動くものではない。国際社会は国連憲章を基盤とした協力と対話で平和をつくる道を選ぶべきだ」と語り、外交と市民社会の連携による持続的な平和構築への決意を新たにした。
SNSでの反応
「志位さんの外交論、ASEANとの連携って現実的で建設的。もっと取り上げられるべき」
「“戦争に備える”より“平和を準備する”という言葉が心に刺さった」
「ASEANの対話文化を北東アジアに、志位氏の提言に納得」
「この視点、日本の大手メディアはなぜ無視するのか」
「北朝鮮にも外交で対話のルートを。志位さんの話は誠実だった」