志位和夫議長が提唱「新しい国民的・民主的共同」 極右対抗と生活課題の両立を問う中央委員会総会

0 件のGood
0 件のBad

志位和夫議長が提唱「新しい国民的・民主的共同」 極右対抗と生活課題の両立を問う中央委員会総会

志位和夫議長が示した危機認識と「新しい国民的・民主的共同」


日本共産党(共産)は3日、党本部で第6回中央委員会総会を開催し、志位和夫議長が発言した。志位氏は今回の総会を「日本の進路、わが党の命運がかかった重要な総会」と位置づけ、決議案の核心である二点――“反動ブロック”への対決と「質量ともに強大な党をつくる集中期間」の成功条件――について問題提起した。参議院選挙後に露わになった政治状況を「歴史的岐路」と捉え、市民と野党の幅広い共闘によって暮らし・平和・民主主義を守り発展させる「新しい国民的・民主的共同」を呼びかけたことが骨子である。

志位氏は、選挙後に他の野党や市民運動と意見交換を重ねる中で共同の条件が存在すると判断したと説明した。決議案は、自民党(自由民主党、LDP)と公明党(公明)の政権運営への不信とともに、政治の分極化・排外主義の台頭がもたらす危うさを直視し、対抗軸としての共同の枠組みを具体化する意図を示している。石破茂内閣の下で政策論争が再活性化するなか、政党支持の違いを超えた連携の実効性が試される局面でもある。

ネット上には多様な受け止めが並ぶ。

「“新しい共同”がどこまで現実的に機能するのか、具体策を聞きたい」
「極右や排外主義への対抗は賛成だが、生活改善の道筋も同時に示してほしい」
「野党間の連携は歓迎、ただし選挙区ごとの調整が鍵になる」
「理念だけでなく、地方の課題に即した政策パッケージが必要だ」
「与野党の対立を超える合意形成のルール作りが急務ではないか」


欧州の経験から学ぶ対極化対処:危機を機会に変える要諦


志位氏は、8月に行ったジェレミー・コービン氏(英国)、マルク・ボテンガ氏(ベルギー)、マルティン・シルデワン氏(ドイツ)らとの会談を踏まえ、欧州での極右・排外主義への対応を紹介した。共通の教訓は「古い保守政治への批判と民主的対案を明確に語りつつ、断固とした反差別の姿勢を貫けば、危機をチャンスへ反転し得る」という点である。単なる反対運動ではなく、雇用・賃金・地域公共サービスなど生活直結の課題に対する実効的な政策を伴った“包括的フロント”を築くことが成果につながっているという。

日本に引きつければ、物価や地域の人口動態、産業構造の変化が重なるなかで、社会の分断を煽る言説に対し、普遍的権利と包摂を軸にした「誰も取り残さない」政策提示が不可欠だ。志位氏の問題提起は、対立を固定化させるのではなく、合意可能な範囲を広げることに重心を置く点で、実務的な協議の入り口を示したといえる。

「集中期間」を成功させる三つの角度:情勢・循環型活動・学習


志位氏は「質量ともに強大な党をつくる集中期間」(9~12月)を成功させるための三つの角度を提示した。第一に情勢の変化の活用である。選挙後の危機感の広がりは同時に新しい期待の芽でもあり、受動ではなく攻勢的に対応すれば前進の契機となり得るとした。第二に双方向・循環型の活動である。党組織の高齢化など現場の困難を直視しつつ、「芽」を見出して広げる実践的な往復運動を組み立てる重要性を強調した。第三に量と質の一体的強化である。党員・読者拡大(量)と、科学的社会主義の学習(質)を同時並行で進める設計に初めて正面から位置づけたと説明した。

ここで示された「学び」の位置づけは、党勢後退の客観的要因として分析された「社会主義・共産主義の理解の不足」を反転させる試みでもある。「人間の自由」を核心に据えた理論再整理を通じ、理念と政策の接続を強化する狙いがうかがえる。こうした理論的再訓練は、賃上げや医療・介護、若年層の教育負担など要求実現運動の基礎体力を底上げし、現場の説得力を高める効果が期待される。

志位和夫議長発言が示す政治的含意:極右対抗と生活課題の両立をどう設計するか


今回の発言は、“反動ブロック”への対決姿勢を鮮明にしつつ、合意形成の回路を閉ざさないことに特徴がある。市民社会との協働を前提に、要求対話やアンケートなど現場起点のデータ収集を重視し、政策形成のボトムアップを図る発想は、選挙ごとの一過性の動員に対する反省とも整合する。加えて、電子媒体の活用を含む情報発信の強化は、若年層への到達に不可欠であり、党勢拡大の実効性を左右するポイントとなる。

同時に、生活直結の論点に対し、どこまで具体策を磨き込めるかは今後の試金石である。ガソリンや電気料金をはじめ、家計を圧迫するコスト要因への緊急対応と、中長期の所得・成長・地域再生の設計図を両立させる必要がある。地方の現場で見える課題を国政の議題へどう橋渡しするか、そして対立する立場とも事実ベースで合意を積み上げられるかが、提唱する「新しい国民的・民主的共同」のリアリティを左右するだろう。

党内運動の面では、「ねばならぬ」調でなく「芽を広げる」構成に改めたという語り方の転換は、持続可能なボランタリー活動を設計するうえで重要だ。ベテランと若手の世代的継承、現場と中枢の往復、理論と実務の統合――これらの要素が噛み合ったとき、集中期間は単なる数値目標にとどまらず、政策形成力と発信力の底上げにつながる。石破茂内閣下で政策競争が加速する今、志位氏の発言は、日本政治における対極化への対処と、生活課題への政策的応答をどう両立させるかという大きな課題を照射したといえる。

コメント投稿する

2025-09-04 10:47:12(S.ジジェク)

0 件のGood
0 件のBad

上記の志位和夫の活動をどう思いますか?

コメント投稿

コメントを投稿することができます。管理者の確認後公開されます。誹謗中傷・公序良俗に反する投稿は削除されます。

※サイト運営スタッフにより内容が確認後公開されます。24時間以内に確認されます。

関連する活動報告

GOOD/BAD評価

人気のある活動報告

関連書籍

Q&A 共産主義と自由──『資本論』を導きに

Q&A 共産主義と自由──『資本論』を導きに

天皇の制度と日本共産党の立場

天皇の制度と日本共産党の立場

志位和夫委員長への手紙: 日本共産党の新生を願って

志位和夫委員長への手紙: 日本共産党の新生を願って

領土問題をどう解決するか: 尖閣、竹島、千島

領土問題をどう解決するか: 尖閣、竹島、千島

日本共産党の百年を語る

日本共産党の百年を語る

新・綱領教室(下)──2020年改定綱領を踏まえて

新・綱領教室(下)──2020年改定綱領を踏まえて

新・綱領教室(上)──2020年改定綱領を踏まえて

新・綱領教室(上)──2020年改定綱領を踏まえて

新たな躍進の時代をめざして

新たな躍進の時代をめざして

戦争か平和か: 歴史の岐路と日本共産党

戦争か平和か: 歴史の岐路と日本共産党

パンデミックと日本共産党の真価―日本共産党創立99周年記念講演

パンデミックと日本共産党の真価―日本共産党創立99周年記念講演

歴史の偽造は許されない: 「河野談話」と日本軍「慰安婦」問題の真実

歴史の偽造は許されない: 「河野談話」と日本軍「慰安婦」問題の真実

日本の巨大メディアを考える

日本の巨大メディアを考える

人間らしい労働を: たたかいで道を開こう

人間らしい労働を: たたかいで道を開こう

改定綱領が開いた「新たな視野」

改定綱領が開いた「新たな視野」

さようなら志位和夫殿

さようなら志位和夫殿

日本共産党とはどんな党か

日本共産党とはどんな党か

Q&A いま『資本論』がおもしろい──マルクスとともに現代と未来を科学する

Q&A いま『資本論』がおもしろい──マルクスとともに現代と未来を科学する

志位和夫

新着記事

検索

政治家の名前検索、公約の検索が行えます。

ランキング

政治家や公約の各種ランキングを見ることができます。

ランダム評価

公約・政策がランダム表示され評価することができます。

選挙情報

今からの選挙・過去の選挙結果などが確認できます。

アンケート

当サイトで行っているアンケート・投票にご協力ください。

「先生の通信簿」は、議員や首長など政治家の公約・政策を「みんなで」まとめるサイトです。また、公約・政策に対しては、進捗度・達成度などを含めたご意見・評価を投稿することができます。

政治家や議員の方は、公約・政策を登録し有権者にアピールすることができます。また、日頃の活動報告も登録することができます。

選挙の際に各政治家の公約達成度や実行力など参考になれば幸いです。

※この情報は当サイトのユーザーによって書き込まれた内容になります。正確で詳しい情報は各政治家・政党のサイトなどでご確認ください。

X (Twitter)

標準偏差:20.93