2025-06-27 コメント投稿する ▼
SNS偽・誤情報対策「良質な情報増やすべき」塩川氏が提言 公選法や公式認証の課題も
SNS誤情報への対策、鍵は「良質な情報の拡充」
共産・塩川氏が指摘 公選法とネット選挙の課題も議論
選挙運動の健全化へ、与野党が問題意識を共有
与野党7党が参加する「選挙運動に関する各党協議会」は6月27日、国会内で合同記者会見を開き、SNS上での偽・誤情報拡散や、いわゆる「二馬力」行為(第三者による過度な応援活動)への懸念について、共通の問題意識を示した。協議会として「民主主義の根幹をなす選挙の公平性が脅かされている」と強調し、引き続き議論を深める方針を確認した。
記者会見では、SNSにおける「なりすまし」や「虚偽情報の流布」が候補者や政党の信頼性を損ない、選挙の公正を著しく揺るがしている実態が指摘された。特にX(旧Twitter)、LINE、検索エンジンなど、情報拡散力の高いプラットフォームに対する規制や仕組みの整備が焦点となっている。
「選挙の時期になると、明らかに怪しい投稿が増える」
「フェイクを信じる層に響く“公式情報”をどう届けるかが課題」
「まず党や候補者の発信が少なすぎるのも問題では?」
「なりすましアカウント放置してるSNS運営もどうかと思う」
「誹謗中傷対策だけじゃなく、情報強者と弱者の格差是正も必要」
塩川氏「正確な情報が民主主義を守る」
日本共産党の塩川鉄也・国対委員長は会見で、「偽・誤情報への対抗には、何よりも良質な情報の量を増やすことが有効だ」と強調。政党による公開討論会や候補者同士の立会演説会を積極的に実施し、有権者が直接判断できる機会を拡充すべきだと主張した。
また、SNSや検索エンジンにおける「公式情報」の優先表示についても進展があったと紹介。ヤフー検索では、候補者や政党の公式サイトが上位に表示される仕様が継続実施中であり、Xでは現職国会議員に対してグレーバッジ(認証)が付与され始めているという。LINEも公式アカウント認証に向けて作業を進めているといい、塩川氏は「こうした対応を協議会として再度要請すべきだ」と訴えた。
これらの仕組みは、2013年にネット選挙運動が解禁された際、各党協議会として事業者に要請した内容に基づいているという。
「二馬力」問題の根源は公選法?
塩川氏はさらに、SNSにおける第三者による過度な応援行為、いわゆる「二馬力」問題の背景として、「現在の公職選挙法が依然として“べからず選挙”であり、表現や活動の自由が過剰に制約されていることが根本にある」と指摘した。
選挙運動において、候補者本人や政党による活動に厳しいルールが課されている一方で、ネット上での第三者的な発信は法のグレーゾーンに置かれがちだ。これがかえって非公式な情報発信を誘発し、混乱を招いているという見方もある。
塩川氏は「規制強化よりも、情報の自由で公平な流通を保障するルール作りこそ必要だ」と述べ、現行法の見直しも視野に入れるべきとした。
“情報の質と量”で有権者の判断力を支える政治へ
偽・誤情報への対策として、削除や規制だけに頼るのではなく、情報の“量”と“質”で上書きするアプローチが注目されている。SNS上でいかに正確な情報を分かりやすく発信し、有権者に届くように設計するかは、今後の選挙戦略でも大きな鍵となる。
今回の協議会では与野党が一致して「民主主義を守るために、SNS環境の整備とルールの再構築が不可欠だ」との認識を共有しており、次期選挙までに具体策がまとまるかどうかが問われる。