2025-04-23 コメント投稿する ▼
学校の校庭が無断で自衛隊機の不時着場に?共産・塩川議員が防衛省を追及
学校の校庭が“無断で”不時着場に 自衛隊の低空飛行に共産・塩川氏が抗議
衆議院内閣委員会で4月23日、日本共産党の塩川鉄也議員が、防衛省の訓練運用について厳しく追及した。焦点となったのは、航空自衛隊などによる低空飛行訓練の際、学校の校庭やスポーツ施設が、施設の管理者に事前の連絡もなく「不時着場」として設定されていたという事実だ。
防衛省「管理者の同意なし」認める
問題が浮上したのは、昨年11月に行われた陸上自衛隊の観閲式。東京・埼玉の朝霞駐屯地で開催され、石破茂首相(当時)が出席する中、自衛隊機による展示飛行が行われた。訓練の際、自衛隊は朝霞市内の学校や野球場、陸上競技場などを不時着ポイントとしてリストアップしていた。
塩川議員が「施設の管理者に事前了解は取ったのか」と問い詰めたところ、防衛省の中西礎之審議官は「得ていない」と明言。また、当日それらの施設では学校公開や保護者の引き渡し訓練、スポーツ大会などが行われていたにもかかわらず、防衛省側は「承知していない」との答弁にとどまった。
住民無視の運用に「到底許されない」
塩川氏は、「住民の安全を脅かしかねない運用を続けるのは到底認められない」と厳しく批判。自衛隊の飛行訓練について、市民生活と安全への配慮が欠如していると訴え、中止を強く求めた。
これに対し、林芳正官房長官は「関係法令を順守し、安全確保に万全を期す」と繰り返すにとどまり、訓練中止については明言を避けた。
全国でも相次ぐ類似事例 住民の不安続く
塩川氏は今回の件だけでなく、各地で行われる基地航空祭などでも、同様の低空飛行が日常的に行われていると指摘。過去には米軍機の部品落下や、自衛隊機による事故も相次いでおり、地域住民の間で不安の声は根強い。
たとえば、2017年には沖縄・普天間第二小学校の校庭に米軍機の部品が落下し、児童が負傷するという痛ましい事故も発生している。防衛・安全保障政策の重要性は誰もが認めるところだが、その運用が住民の安心を犠牲にしてよいはずがない。
説明責任と情報公開が鍵
防衛省は「安全確保」を掲げるが、実際の運用においては情報不足や住民とのコミュニケーション不足が目立つ。施設管理者にすら事前に説明がされていない現状は、ガバナンスの観点からも問題が大きい。
今後、政府と防衛省には、訓練内容の透明性を高め、関係者との事前調整や住民への丁寧な説明と合意形成を徹底することが求められる。防衛の名のもとに地域の声が置き去りにされてはならない。
- 自衛隊の低空飛行訓練で学校校庭などが無断で「不時着場」に指定されていた
- 防衛省は施設管理者の事前同意を得ていなかったことを認めた
- 地元ではイベントや授業が実施されていたにもかかわらず、防衛省は「把握していない」
- 市民の安全と自治体との調整を欠く運用に抗議の声が強まっている