2025-04-18 コメント投稿する ▼
「学問の自由」を揺るがす懸念 学術会議「解体法案」審議入り 共産・塩川氏が違憲性を追及
学術会議解体法案、衆院で審議入り 塩川議員が違憲性を指摘
2025年4月18日、日本学術会議を新たな組織に再編する「学術会議解体法案」が衆議院本会議で審議入りした。日本共産党の塩川鉄也議員は、同法案が学術会議の独立性を損ない、憲法に反するものであると強く批判し、廃案を訴えた。政府は、学術会議の透明性向上や組織改革を目的としていると主張しているが、学術界や野党からは、学問の自由を脅かすとの懸念が広がっている。
塩川議員、法案の違憲性を指摘
塩川議員は、法案が学術会議の独立性・自主性・自律性を奪い、政府の意向に従う組織へと変質させるものであり、憲法に違反すると主張した。また、法案の策定のきっかけとなった2020年の菅義偉首相による学術会議会員の任命拒否について、首相の「形式的任命」という法解釈を覆すものであり、到底許されないと批判した。さらに、任命拒否の理由と経緯を明らかにし、撤回するよう求めた。
戦前の反省から生まれた学術会議の理念
現行の日本学術会議法は、戦前の戦争加担への反省から、「学問の自由」を保障する憲法の具体化として制定された。前文では「科学は文化の基礎であり」「平和的復興、人類社会の福祉に貢献」と掲げている。塩川議員は、今回の法案がこの前文を削除していることについて、学術会議の理念を真っ向から否定するものだと批判した。
政府の説明と野党の反発
法案では、学術会議の「独立して職務を行う」との規定を削除し、組織・運営を内閣府の所掌事務と位置づけている。塩川議員は、独立性の担保がどこにあるのかと質問したが、坂井学内閣府特命担当相は「組織としての説明責任の担保を内容とするもの」と答弁した。また、法案は学術会議の運営・財務に政府や外部者が介入できる仕組みや、会員選考に外部の意向を反映することが可能な仕組みを設けており、これまでの会員をリセットしようとしている。塩川議員は、これらの点についても、学術会議の独立性・自主性・自律性を剥奪するものだと批判した。
学術界や市民からの懸念の声
学術界や市民からは、法案に対する懸念の声が上がっている。学問の自由や独立性が損なわれることで、研究活動や政策提言に影響が出ることが懸念されている。また、政府の意向に従う組織への変質が、民主主義や言論の自由にも影響を及ぼすとの指摘もある。
今後の審議の行方
法案は今後、衆議院内閣委員会での審議を経て、参議院へと送られる見通しである。与党は法案の成立を目指しているが、野党や学術界、市民からの反発も強く、今後の審議の行方が注目される。
- 学術会議解体法案が衆院本会議で審議入り。
- 塩川議員は法案が学術会議の独立性を損ない、憲法に違反すると批判。
- 法案は学術会議の「独立して職務を行う」との規定を削除し、内閣府の所掌事務と位置づけ。
- 学術界や市民からは、学問の自由や独立性が損なわれることへの懸念の声が上がっている。
- 法案は今後、衆議院内閣委員会での審議を経て、参議院へと送られる見通し。