2025-03-28 コメント投稿する ▼
【能動的サイバー防御法案】領域外警察権行使と「武力行使」の懸念、衆院内閣委で専門家意見相次ぐ
■ 国際法上の「武力行使」への懸念
防衛大学校の黒崎将広教授は、政府の「アクセス・無害化措置」が国際法上の「武力行使」に該当する可能性について言及。普遍的な定義は存在しないものの、日本の行為を武力行使と批判する国が出る可能性を否定できないと指摘した。
■ 領域外での警察権行使に関する疑問
日本共産党の塩川鉄也議員は、警察が海外のサーバーに侵入する本法案の内容が、国際法上の領域外での警察権行使に抵触するのではないかと質問。「中曽根康弘世界平和研究所」の大沢淳主任研究員は、領域外での警察権行使が想定されることを認め、国際法上の正当性を明確にする必要があると述べた。
■ 「主権侵害」とみなされる可能性
さらに、塩川議員は、フランスが自国のネットワークに影響を及ぼす外国のサイバー行動を「主権侵害」と見なす立場を取っていることを指摘。日本政府が自らの行為が「主権侵害」と判断された場合、国際法の「緊急避難」を適用して違法性を否定しようとする主張について、黒崎教授は緊急避難の先例や判例が十分でないことを指摘し、その適用には慎重な検討が必要であると述べた。
■ 法案の影響と専門家の懸念
東北大学名誉教授の井原聰氏は、政府が民間事業者の通信情報を収集・分析する本法案が、憲法21条の「通信の秘密」やプライバシー権を侵害する可能性があると指摘。また、警察と自衛隊による「アクセス・無害化」措置が、国際法違反の先制攻撃と見なされる危険性があると警告している。