2026-03-17 コメント投稿する ▼
茂木外相、米ルビオ長官と電話会談 ホルムズ海峡安全確保で連携確認
茂木敏充外務大臣は2026年3月16日夜、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官と約20分間の電話会談を行い、イラン情勢やホルムズ海峡の航行安全確保について協議しました。茂木大臣は「ホルムズ海峡における航行の安全は、エネルギー安全保障の観点からも、我が国を含む国際社会にとって極めて重要だ」として、「米国を含む国際社会と連携し、引き続き必要なあらゆる外交努力を行っていく」と伝えました。艦船派遣の要請はなかったということです。
トランプ大統領の艦船派遣要求、日本への直接要請なし
トランプ大統領は3月14日、ソーシャルメディアで日本を含む約7か国にホルムズ海峡への艦船派遣を求める投稿を行いました。これを受けて、日本政府内では対応を巡る協議が続いていましたが、今回の電話会談で、ルビオ国務長官から米国の立場や取り組みについて説明があったものの、具体的な艦船派遣の要請はなかったといいます。
外務省関係者によりますと、ルビオ長官からは米国の立場や取り組みの説明があり、両外相はイラン情勢への対応につき、引き続き緊密に意思疎通していくことを確認しました。
「ホルムズ海峡が危ない」
「原油輸入が止まったら日本は終わり」
「艦船派遣すべきか判断が難しい」
「外交努力で解決できるのか」
「米国の要求にどう応えるか」
茂木大臣は会談で、湾岸諸国等におけるエネルギー関連施設を含む民間施設等への攻撃、ホルムズ海峡における航行の安全を脅かす行為といったイランの行動を非難しました。日本は2025年の原油輸入量における中東依存度が93.9%と極めて高く、輸入の多くがホルムズ海峡を通過しています。
高市首相訪米に向け緊密連携を確認
電話会談では、高市早苗首相が3月19日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談することを踏まえ、日米首脳会談に向けて緊密に連携していくことも確認しました。高市首相の訪米は就任後初めてで、日米同盟の強固さを内外に示す重要な機会となります。
茂木大臣は会談前、トランプ大統領の艦船派遣要求について記者団に「米国の立場を確認したい」と述べており、今回の電話会談で米側の意向を把握することができました。首脳会談では、イラン情勢への対応やホルムズ海峡の安全確保について、さらに踏み込んだ協議が行われる見通しです。
サウジ・UAE外相とも相次ぎ電話会談
茂木大臣は同日、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の外相とも相次いで電話会談し、原油の安定供給などに向け連携を呼びかけました。日本の原油輸入額では、UAEが最多、サウジアラビアが2番目となっており、両国との関係強化は日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要です。
3月6日には、茂木大臣とUAEのジャーベル産業・先端技術相の会談で、石油の安定供給、ホルムズ海峡の安全な航行の確保、邦人安全確保などが協議されました。あわせて、外務省は日本とUAEの間で経済連携協定(CEPA)が交渉妥結したと発表しています。
サウジアラビアとUAEは、ホルムズ海峡を迂回してペルシャ湾から世界市場へ石油を輸送できるパイプラインを持っており、ホルムズ海峡の通航が困難になった場合の代替輸送手段として注目されています。
経産省はエネルギー対策本部を設置
イラン情勢の悪化を受けて、経済産業省は3月2日付で「イラン情勢を踏まえたエネルギー対策本部」を設置しました。赤澤亮正経済産業大臣は、UAE、サウジアラビアの閣僚とも情勢について協議し、エネルギー供給の安定確保に向けた対応を進めています。
2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃以降、ホルムズ海峡が事実上封鎖状態となり、世界のエネルギー供給に大きな影響が出ています。日本政府は3月19日出荷分から緊急激変緩和措置を再開し、全国平均を170円程度に抑制する方針を示していますが、抜本的な解決にはホルムズ海峡の航行安全確保が不可欠です。
外交努力による事態沈静化を模索
茂木大臣は3月9日にはイランのアラグチ外相とも電話会談し、湾岸諸国への攻撃停止やホルムズ海峡の航行を脅かす行為の停止を求めました。また、イランで拘束されている邦人の解放も要請しました。
日本政府は、軍事的手段ではなく外交努力によって事態の早期沈静化を図る方針です。茂木大臣は関係各国との電話会談を通じて、日本の立場を明確に伝えるとともに、国際社会と連携してイラン情勢の安定化に取り組む姿勢を示しています。
3月19日の日米首脳会談では、イラン情勢への対応が主要議題の一つとなる見通しです。日本がどのような形で国際社会に貢献していくのか、高市首相とトランプ大統領の協議の行方が注目されます。