2025-08-05 コメント投稿する ▼
臨時国会閉幕 少数与党の石破首相、野党に譲歩続き「石破降ろし」くすぶる
臨時国会閉幕 少数与党の石破首相、野党に足元を見透かされ「石破降ろし」くすぶる
7月の参院選後に召集された臨時国会は5日、わずか5日間の会期を終えて閉幕した。石破茂首相にとっては、衆参両院で自民党が少数与党に転落して初めての国会論戦。連立枠組み拡大を含む野党との協力なしには政策推進が困難な中、答弁では野党側の要求に柔軟な姿勢を見せる場面が目立った。しかし、自民党内では「石破降ろし」の動きがくすぶり続け、野党からはその立場の弱さを見透かされている。
野党要求に譲歩続く首相
5日の参院予算委員会で、国民民主党の浜口誠政調会長はガソリン暫定税率廃止を11月から実施するよう求めたほか、「年収の壁」の178万円への引き上げについて「(自民、公明両党との)3党間の約束だ。首相の言葉で確認させてほしい」と迫った。石破首相は「与野党協議の結果を尊重する」とし、3党合意が得られれば「適切に対応するのは当然」と応じた。
この姿勢は、4日の衆院予算委でも同様だった。立憲民主党の野田佳彦代表が企業・団体献金の規制強化協議を呼びかけると、首相は即応。しかし、自民党内からは「聞いていない」「勝手に約束するな」といった不満が噴出している。
「野党にいい顔ばかりして、自民党内を置き去りにしている」
「党内の合意を得ないまま譲歩するのは危険」
異例の集中審議と少数与党の現実
参院選後の臨時国会は、人事や形式的手続きで終わるのが通例だ。だが、今回は野党の要求に与党が応じ、衆参両院で首相出席の予算委員会集中審議が行われた。背景には、少数与党として法案や予算の成立に野党の協力が不可欠という現実がある。
一方で、野党の足並みは完全にはそろっていない。しかし首相としては、内閣不信任案が可決されるリスクが常につきまとう状況だ。野党はその脆弱さを見抜き、要求を段階的に引き上げている。
「今の首相は弱みを握られた状態」
「臨時国会でここまで譲歩するのは異例」
自民内でくすぶる「石破降ろし」
自民党内からは、早くも首相交代を求める声が公然と出始めた。斎藤健前経済産業相は「新しい総裁の下で新しい連立を追求することが日本のためだ」と発言。石破首相は当面続投の意向を示しているが、孤立感は強まっている。
ある閣僚経験者は「次の総裁には第3党と交渉できる力が必要だ」と語り、石破体制では持たないとの見方を示した。少数与党である以上、政権運営の安定には与野党間のバランス感覚と党内掌握力の双方が求められるが、その両方で石破首相は苦戦している。
政権の正念場
臨時国会は閉幕したが、年末の予算編成や来年の通常国会に向け、野党との交渉は避けられない。自民党内の求心力低下と、野党に対する譲歩の連鎖が続けば、「石破降ろし」が一気に表面化する可能性もある。政権の正念場は、むしろこれからだ。