2025-08-04 コメント投稿する ▼
参院選大敗で石破首相に進退圧力 国会で防戦、退陣論と続投論が交錯
参院選大敗で揺れる石破政権 進退明言避ける首相、防戦の国会論戦
参院選での与党大敗により、衆参両院で少数与党となった石破茂首相は、4日の衆院予算委員会集中審議で進退を問う厳しい追及にさらされた。国民民主党やれいわ新選組が「いつまで続投するのか」と迫る一方、立憲民主党は政策協議を持ちかけ、野党の対応には温度差が見られた。だが、いずれも石破政権の今後を占う重要な一日となった。
進退を問われ続ける首相
審議の冒頭、国民民主党代表の玉木雄一郎氏が「そもそも総理、いつまで続投するのか」と単刀直入に質問。石破首相は「断定できない」とだけ答え、明言を避けた。その直後、れいわ新選組の大石晃子共同代表も「いつ辞めるのか」と詰め寄ったが、首相は「この場で申し上げることはしない。手掛けてきた課題にきちんと見通しをつけることが政権の責任だ」と応じ、防戦に徹した。
首相は日米関税交渉合意の履行などを理由に続投への意欲をにじませたが、昨年の衆院選に続く参院選での敗北は党内外に深刻な影響を及ぼしている。自民党内では「石破降ろし」の動きが再び加速しており、退陣論と続投論が交錯する不安定な政権運営が続く。
「敗北の責任を取らず続投では、国民の理解は得られない」
「時期を言わないのは延命策に見える」
立憲民主は政策協議を打診
一方で、立憲民主党の野田佳彦代表は進退論よりも政策課題に焦点を当てた。企業・団体献金の規制強化について、第一党と第二党で協議し結論を出すべきだと提案。受取先を政党本部と都道府県組織に限定する規制案を軸に、公明党や国民民主党の案も参考に議論を進めるよう促した。石破首相も「党首同士の議論は大きな意味がある」と応じ、物価高対策でも協議に前向きな姿勢を示した。
ただ、この柔軟姿勢は一部野党から「石破政権と歩調を合わせるのか」との批判を呼んでいる。対決と協調が入り交じる国会の構図は、首相にとって一時的な逃げ道となる可能性もある。
「対決すべきときに手を握るのは甘い」
「国民のためなら協議も必要だ」
進退を示さぬ理由と党内事情
石破首相が退陣時期を明らかにしない背景には、自民党内の権力闘争を回避し、残された政策課題の遂行に集中したいという思惑がある。閣僚経験者は「退陣時期を言えばレームダック化し、政治空白を招く。言えるわけがない」と語る。
しかし、国民民主やれいわによる執拗な追及が続けば、党内の不満や離反が現実化する可能性は高い。首相は国会での攻防をしのぎつつも、党内の結束と世論の支持をどう取り戻すかという二重の課題を抱えている。
石破政権が今後も続くかは、進退論がどのタイミングで再燃するか、そして首相が政策面でどこまで成果を示せるかにかかっている。参院予算委でのやり取りを含め、政権の行方は依然として予断を許さない状況だ。