2025-07-23 コメント投稿する ▼
石破首相、8月に進退判断へ 原爆式典・国際会議を優先 自民党内の退陣論に現実路線
首相、当面は続投も「退陣」視野 8月下旬に最終判断へ
参院選での歴史的敗北を受け、石破茂首相は自身の進退について「8月に最終判断する」との意向を固めた。党内からは早期退陣を求める声が相次ぐが、石破氏は「重要な公務に穴を空けられない」として、当面は続投し、8月下旬にも結論を出す方針だ。
被爆地やTICAD出席で公務優先の姿勢強調
石破首相は8月6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、15日の終戦記念日式典に出席予定。さらに20~22日には横浜市で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)にも出席する見通しで、首相周辺は「これらの重要な外交・慰霊行事に不在は許されない」と述べ、一定の責任を果たした上で進退を判断すべきだとの姿勢をにじませる。
党内では「即時退陣」求める声強まる
こうした判断に対し、自民党内では反発も根強い。特に青年局や中堅議員からは「責任を引き延ばしているだけだ」「党の立て直しを急ぐべき」との批判が相次ぐ。
「今すぐ退くべきだ。時間稼ぎにしか見えない」
「被爆地の式典を政治的判断の言い訳に使うな」
「公務を盾に政権にしがみつく姿勢に失望した」
一方で、「外交と慰霊を優先するのは当然」「丁寧に区切りをつけてから辞任すべきだ」と一定の理解を示す声も一部にはある。
党総裁選は9月、国会で新首相指名も想定
石破氏が退陣を選択した場合、9月に自民党総裁選を実施し、10月召集予定の臨時国会で新たな首相が指名されるというスケジュールが有力視されている。すでに「ポスト石破」をめぐる水面下の動きも活発化しており、高市早苗前経済安保相や岸田文雄前首相、林芳正官房長官らが注目を集めている。
日米関税交渉合意も政権延命には直結せず
一方、石破政権の延命の論拠の一つだった日米関税交渉では、日本側が懸念していた25%の関税上乗せについて、23日に15%への引き下げで米国と合意。外交的には一定の成果となるが、政権の求心力回復には直結しておらず、首相自身も「合意内容を精査しなければコメントはできない」と述べ、判断を留保した。
「三首脳会談」で支持取り付けなるか
石破首相は23日午後、自民党本部で麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相の3人と会談を行い、今後の政権運営方針を説明。党内実力者からの理解を得ることで、一定の求心力を維持したい考えだが、首相経験者3人がどのような反応を示すかは不透明だ。
参院選の敗北を経て、自民党政権は岐路に立たされている。石破首相の「8月判断」は時間稼ぎとの批判を受けつつも、重要行事と外交に向き合う姿勢もにじむ。だが、党内外からのプレッシャーは日増しに強まり、「8月下旬まで」も猶予として許されるのか、見通しは厳しさを増している。