2025-07-10 コメント: 1件 ▼
外国免許の切り替え制度が大幅厳格化へ 短期滞在者は適用外に、知識試験も5倍の50問に拡大
ひき逃げ事故が契機に 外免切替制度が見直しへ
外国の運転免許証を日本の免許に切り替える「外免切替」制度が、2025年10月1日から大きく変わろうとしている。警察庁は、観光客などの短期滞在者を制度の適用外とし、知識試験や技能試験を厳格化する方針を打ち出した。背景には、外国人ドライバーによる重大な交通事故の増加がある。
とくに世間の注目を集めたのが、2025年5月に埼玉県三郷市で発生した、外免切替で日本の免許を取得した外国人による小学生のひき逃げ事件だった。この事件を契機に、「制度が甘すぎるのではないか」との批判が噴出。警察庁は制度改正に踏み切った。
「ホテルの住所で免許取れるって、そりゃ危ないよ…」
「あの事故は本当に許せなかった。ようやく対策か」
「日本人が同じことしたらもっと厳しいはず」
「観光客向けに免許発行してたのが異常」
「遅すぎるけど、やらないよりマシ」
“ホテル住所”で取得できた免許、今後は不可に
これまで外免切替の申請には、在留期間にかかわらず「住所が確認できればOK」とされ、ホテルや簡易宿泊所の住所でも認められていた。しかし新制度では、原則として「住民票の写し」を提出することが求められ、観光客のような短期滞在者は申請できなくなる。
一方で、外交官や国際モータースポーツイベントで来日するレーサーなど、特定の資格証明を持つ者には例外が設けられる。これは、日本国内での業務遂行を前提とした特別な滞在資格があることを考慮したものだ。
知識確認は10問→50問へ 合格基準も9割に引き上げ
さらに大きな変更点として、交通ルールに関する知識確認試験がある。これまでイラスト付き10問の○×形式で実施され、7問以上の正解で合格だったが、新制度では50問に増加し、45問以上正解(正答率90%)が求められる。問題形式も単純なマルバツにとどまらず、応用的な内容に切り替えられる見通しだ。
つまり、日本の交通ルールをより深く理解していなければ、運転免許への切り替えができなくなる。安全意識の低いまま車を運転する外国人ドライバーの抑止につながると期待されている。
技能確認も“実戦形式”へ 踏切・横断歩道が新たに追加
知識試験に合格した者が受ける「技能確認」試験も、内容が強化される。新たに踏切の通過方法や横断歩道前での一時停止など、日本の交通ルールをより忠実に再現した試験項目が追加される。
警察庁は「これまでの技能確認が形式的にすぎた」として、より実戦的で詳細な運転行動の評価を行うとしている。加えて、採点基準も厳格化され、慎重な運転姿勢が求められるようになる。
制度の見直しが“差別”でない理由
今回の制度改正について、一部では「外国人への差別的扱いではないか」との懸念もあるが、警察庁は「日本国内の安全確保が最優先」として、あくまで運転資格者としての最低限の知識と技能を確認する趣旨であることを強調している。
2024年に外免切替を行った外国人は6万8,623人。外国人による交通事故は同年7286件と、過去10年で最多となった。単に数が多いというだけでなく、運転マナーや法令理解不足による事故が目立つことが、制度見直しの大きな理由となっている。
日本の道路を走る以上、外国人であっても日本の交通ルールを守るのは当然のことだ。観光客であっても「レンタカーを借りて自由に旅行したい」という声は根強いが、安全とのバランスを取るための制度設計が今、求められている。