2025-06-26 コメント投稿する ▼
NHKの還元目的積立金が“民間支援”に転用の恐れ 受信料値下げには使われず批判噴出
NHKの還元目的積立金が“目的外利用”の懸念 受信料引き下げには使われず官民連携に流用か
NHK(日本放送協会)が、視聴者に受信料を還元するために積み立てている「還元目的積立金」が、本来の目的である受信料引き下げに活用されず、関係のない官民連携事業に流用される恐れが浮上している。
6月19日に開催された「放送・配信コンテンツ産業戦略検討チーム」の第6回会合で配布された資料には、NHKの積立金を活用して「ファンディング機関を設け、民における具体的な施策を実施」と明記されており、民間企業の事業支援などに流用される可能性があることが読み取れる。これは、法改正により“受信料の引き下げ原資としてのみ活用する”とされた制度の趣旨に明確に反する。
“視聴者に還元”はどこへ 検討チームで議論される別目的支出
自民党政権下で設置されたこの検討チームは、放送・配信コンテンツ産業の国際競争力強化などを目的に構成され、大学教授を主査とし、NHK、民放各社、総務省関係者らがオブザーバーとして名を連ねている。
問題視されているのは、ここで議論されている一部の案が「還元目的積立金を使って民間施策を推進する」という内容になっていることだ。本来この積立金は、放送法の改正を経て、「受信料を払っている視聴者に対して、直接的に還元すること」が求められていたものであり、その用途は厳格に制限されている。
ところが、今回の会合では、まるで「NHKの剰余金が民間企業支援の資金源になり得る」と言わんばかりの提案が飛び出しており、制度設計そのものの形骸化が懸念されている。
「値下げのための積立が、どうして民間の支援金になるの?意味がわからない」
「視聴者に返すって言ってた金を、なぜ事業者に配るのか。これは詐欺では?」
「強制的に徴収しておいて、用途が勝手に変えられるってどこの税金?」
「これもう「受信料」じゃなくて「放送特別会計」じゃないか」
「NHKがやるべきは、還元じゃなくてまずスクランブル放送だろ」
法改正で明確化された“用途限定”が早くも骨抜きに?
令和2年の段階で、NHKは経営効率化によって生まれた剰余金を「還元目的積立金」として積み立て、その使い道は受信料の引き下げに限定されることが、放送法の改正によって明文化された。具体的には「収支差額が零を上回るときは、一定額を還元目的積立金として積み立て、受信料の引下げの原資に充てなければならない」と明記されたのである。
それにもかかわらず、政府とNHK、さらには民放や製作会社を巻き込む形で、「視聴者への直接的な還元」ではなく「産業振興」の文脈での活用が検討されている。この“目的外利用”は、法の趣旨を踏みにじる可能性が極めて高い。
政府の関係機関やNHK側は「総務省の予算事業と重複がないように連携する」と説明しているが、それが「合法」であれば問題がないというわけではない。むしろ、視聴者がNHKに求めているのは「公共放送としての責務」と「受信料制度の透明性」である。
国民から徴収し、企業に還元 これは“再分配”ではなく“流用”だ
現行制度では、NHKの受信料は半ば強制的に徴収されている。テレビを保有しているだけで契約義務が発生し、その徴収方法にはかねてから不満が多い。こうした中で積み立てられた剰余金が、国民生活には還元されず、民間事業や「官民連携」の名の下に消えていくとなれば、制度の正当性は失われる。
日本には減税を望む国民が多くいる一方、補助金や「民間活性化」の名目で湯水のように税金や準税が流れていく構造がある。今回のNHK積立金の“転用”も、その一環と見るべきだ。政府の資金管理のずさんさ、そしてそれに迎合するNHKの姿勢が問われている。
「視聴者ファースト」の原則を無視して、業界との共存共栄を優先するならば、それはもはや「公共放送」ではない。制度改革を迫る声が、今後ますます強まるのは間違いない。