2025-06-25 コメント投稿する ▼
公約核融合発電の実証を2030年代に前倒し 政府が方針転換、開発競争に出遅れ危機感
脱炭素の切り札「核融合」 日本政府が前倒しへ舵
政府は、次世代エネルギーとして注目される「核融合発電」について、国内での実証を2030年代に行う方針を固めた。これまでは「2050年ごろの実現」を掲げていたが、世界的な開発競争の激化と国内産業の競争力低下への懸念から、戦略の前倒しに踏み切った。具体的な工程表は今年度中に策定される予定だ。
核融合発電は、二酸化炭素を排出せず、核分裂と違って高レベルの放射性廃棄物もほとんど出さない“夢のエネルギー”とされる。太陽と同じ原理でエネルギーを生み出すこの技術は、将来的に化石燃料に代わるクリーンで安定的な電力供給源として世界中の注目を集めている。
「ようやく日本も本腰入れるのか。正直、遅すぎるくらい」
「夢の技術って言われて久しいけど、やっと現実味が出てきた」
「脱炭素もいいけど、安全性とコストが見えてこないと不安」
「2030年代って言うけど、どこまで本気なのかは疑わしい」
「せっかく技術力あるんだから、中国に負けないでほしい」
世界はすでに建設ラッシュ 日本の危機感にじむ
政府が核融合戦略を見直した背景には、海外の動きがある。中国はすでに2021年に実験炉の建設に着手し、アメリカやイギリスでも民間主導や政府支援によるプロジェクトが相次いで立ち上がっている。特に欧米では、核融合スタートアップへの投資が急増し、建設予定地の発表や具体的な運用スケジュールも進んでいる。
一方、日本は2022年にようやく「核融合国家戦略」を初めて策定。だが、目標時期は2050年と他国に比べて遅く、具体的な建設計画も乏しいことから、産業界や研究者から「出遅れを取り戻せるのか」と懸念が出ていた。
今回の2030年代への前倒しは、そうした声に押された形だが、政府関係者の間にも「実現性はまだ低い」という慎重な見方が少なくない。
最大の課題は“誰がやるのか”
前倒しが決まったとはいえ、課題は山積している。まず最大の難関は、「どの企業・機関が主導して設計・建設・運用するのか」という点だ。政府の工程表づくりはこれからだが、既存の大学や研究機関が中心になるのか、あるいは新たな民間コンソーシアムを立ち上げるのか、方向性すら固まっていない。
また、核融合炉に必要な超高温プラズマの制御や、放射線に耐える特殊材料の開発も依然として基礎研究段階であり、部品調達や実験精度の向上にも多額の投資が必要とされている。
さらに、施設建設の立地選定も大きな壁となる。高電力を扱うため広大な敷地と安定した電源インフラが必要となるうえ、地元住民の理解も不可欠だ。政府が前倒しを打ち出しても、地域合意を得るには時間がかかるとみられる。
エネルギー政策の未来は描けるか
石破政権は、GX(グリーントランスフォーメーション)推進を成長戦略の柱に据えており、核融合発電はその象徴的な位置づけとなっている。しかし、工程表なしに目標だけを前倒ししても、実効性に疑問が残る。
実現可能性を高めるには、国家プロジェクトとして官民連携を強化し、基礎研究の資金を安定的に確保しつつ、実証機の設計から建設、運用までのロードマップを明示する必要がある。現在のような「構想段階」で足踏みを続けていては、世界の競争に飲み込まれ、技術的にも商業的にも主導権を失う恐れがある。
2030年代の実証が“看板倒れ”にならぬよう、今こそ政治の覚悟と産業界の本気度が問われている。
この投稿は石破茂の公約「GX(グリーン・トランスフォーメーション)の取組を加速させる」に関連する活動情報です。この公約は29点の得点で、公約偏差値44.7、達成率は20%と評価されています。