2025-05-23 コメント: 1件 ▼
日本のインフレ率が2年超ぶりの高水準に到達、年内利上げの可能性も浮上
インフレ加速、物価高が家計を直撃
4月のコア消費者物価指数(CPI)が前年同月比で3.5%上昇し、2023年1月以来の高い伸びを記録した。これは、主に食品価格の高騰によるもので、米の価格がほぼ倍増、チョコレートやコーヒーも2〜3割の値上がりを見せている。日常生活に直結する品目の価格上昇が続いており、家計への負担感は一段と強まっている。
とくに目立つのは米の価格で、流通業界からは「入荷量が不安定なうえに相場が読めない」との声が上がっている。実際、業務用米の調達に苦労する飲食店も出てきており、価格転嫁が避けられない状況になっている。
日銀の苦しいかじ取り、年内利上げの思惑も
日銀が重視するもう一つの指標である、エネルギーと生鮮食品を除いた「基調的なインフレ率」も4月は3.0%に達し、前月の2.9%から上昇した。これは消費の底堅さというより、物価上昇が幅広く続いていることを示している。
日銀は今年1月、10年以上続いた超金融緩和を事実上終わらせ、0.5%の利上げを実施したばかり。とはいえ、賃金上昇が十分とはいえない現状で、物価だけが先行する展開には慎重な姿勢を崩していない。日銀の植田和男総裁は「経済の不確実性が依然として非常に高い」と述べており、追加利上げには慎重な構えだ。
一方、海外の市場関係者や民間エコノミストの中には、10月にも追加利上げに踏み切るのではという見方もある。食品価格の高止まりや円安による輸入コストの上昇が続けば、日銀も再び動かざるを得なくなるとの指摘が出ている。
選挙控える政府、対策の遅れに批判
政府は備蓄米の追加放出や補助金の拡充を急いでいるが、対応が後手に回っているとの批判が根強い。小泉進次郎農相は「6月初旬までに店頭で5キロあたり3,000円未満を目指す」との意向を示したが、すでに価格はそれを大きく上回っている。
このまま物価高が続けば、7月の参院選にも影響しかねない。岸田内閣の支持率は20%台後半にとどまり、有権者の間では「政府の対応が遅い」「日銀と政府がかみ合っていない」といった不満が噴き出している。
SNSでの反応
「コメがこんなに高くなるとは思わなかった。もう贅沢品みたい」
「チョコやコーヒーまで値上げか…。どこまで家計を圧迫するのか」
「日銀はインフレ対策できてるのか?数字だけ見てる気がする」
「また『備蓄米出す』って言ってるけど、もう遅いよ」
「選挙近いからってバタバタ対策しても意味ないよ。もっと早く動いてくれ」
経済の行方と政策対応に注目
物価の上昇が賃金の伸びを上回っている状態が続く中、消費の停滞が懸念されている。企業も人件費を価格に反映しきれず、サービス分野のインフレはむしろ鈍化傾向にある。日銀が求める「賃金主導の物価上昇」は依然として遠い。
米国の関税強化や国際経済の不透明感も加わり、日本経済は引き続き慎重なかじ取りを迫られる。年末にかけて日銀が利上げに動くのか、それとも再び様子見を決め込むのか。経済政策の成否が、政権の行方にも大きな影響を与えることになりそうだ。