2025-05-20 コメント投稿する ▼
石破政権、エチオピアに25億円の無償資金協力 感染症専門病院支援で国際連携強化
エチオピアに25億円超の支援 石破政権、感染症対策で国際貢献
石破政権は、アフリカ東部のエチオピア連邦民主共和国に対し、感染症対策を目的とした無償資金協力として最大25億2,100万円を支出する方針を明らかにした。対象となるのは、同国の首都アディスアベバにある国立セントピーターズ専門病院(SPSH)で、施設整備や医療機材の充実を通じて、感染症の診療体制を強化するのが狙いだ。
感染症が深刻な死因に エチオピアの医療現場の課題
エチオピアでは、肺炎などの呼吸器感染症が死因として上位に位置し、感染症全体では国民の死因の約36%を占めている。特に首都のSPSHは、結核の中でも治療が難しい多剤耐性型の診療・研究を担う唯一の医療機関だが、感染症予防に必要な設備や人員、研修の場が圧倒的に不足している。これにより、院内感染のリスクや適切な対応の遅れが指摘されてきた。
今回の支援により、日本政府はこの病院に新たな診療棟や検査機器を整備し、現地医師への研修体制も確立させる予定だ。これにより、感染拡大の予防だけでなく、医療人材の育成という側面でも長期的な貢献が期待されている。
他国支援と連携 USAIDやWHOとの協調で効果倍増
エチオピアには、アメリカ国際開発庁(USAID)や世界保健機関(WHO)、米国疾病予防管理センター(CDC)なども支援を行っており、日本の今回の取り組みは、それらと重なり合う形で効果を発揮しそうだ。特にUSAIDは、「One Health(ワン・ヘルス)」という動物・人・環境の健康を包括的に考える方針のもと、感染症対策に力を入れている。
この日本の支援でSPSHがより実践的な研修の拠点となれば、USAIDやWHOのプログラムと連携し、より効果的な現場教育や人材のネットワーク形成も可能になる。つまり、日本の一手が、既存の国際支援全体を底上げする形になるというわけだ。
エチオピアの医療危機と日本の役割
エチオピアは人口約1億2,000万人を抱え、都市と地方の医療格差や医療従事者不足が深刻な課題となっている。2020年以降、ティグライ地方での武力衝突により保健システムは大きく損傷を受けた上、2023年にはUSAIDの一部援助が一時停止されるなど、外的支援への依存が揺らいでいる。
日本政府による今回の支援は、単なる設備提供ではなく、現地の医療制度を立て直す「土台作り」に寄与するものと評価されている。JICA(国際協力機構)もこの支援に関与し、現地ニーズに即した技術的支援やプロジェクトマネジメントを展開する予定だ。
* 石破政権は、感染症対策としてエチオピアに25億円超を無償供与。
* 首都アディスアベバの専門病院に新施設・機材を整備し、医療人材の育成も支援。
* 米国USAIDやWHOなどとの連携により、効果的な国際支援の相乗効果が期待される。
* エチオピアの保健体制の再建において、日本の支援は中核的役割を担う。